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2019年6月30日 (日)

工学院 英文学を通して人間の深層に迫るジョエル先生のPBL授業

★工学院のジョエル先生の英語の授業(高2ハイブリッドインターコース)を見学した。英文学の授業だった。ダニエル・キースの「アルジャーノンに花束を」を読んでいた。工学院は、基本どの先生方もEdmodoという学びのプラットフォームを使って、生徒とやりとりをしている。24時間体制というわけだ。

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★中学は、iPad1人1台だが、高校からは BYOD ( Bring your own device)方式で、生徒は自分のお気に入りのラップトップを自宅でも教室でも使う。ジョエル先生をはじめ工学院の先生方とは、いつもつながっている。

★今回も、授業は、いきなりスキャニングクイズからはじまった。すなわち、「アルジャーノンに花束を」の幾つかのパラグラフを読んでくることがEdmodoで共有されていたのである。

★山口先生同様、ここにもジョエル先生と生徒の間に信頼関係が築かれている。文章を授業の中で読んで、各パラグラフ及び全体シークエンスの物語の構造を教師が解説するわけではない。そんなことをすれば、生徒は自分で考える時間は授業ではとれない。

★自宅で考えるのか、自宅では読解するのか。それはどちらでもよいが、考えるトレーニングは、実はコラボレーションが最適なのである。思考というのは、多角的なアプローチが必要で、自分ひとりで考えていてもそのアプローチはなかなか多様にはならない。思考のトレーニングこそ教室で行えるのが理想的なはずだ。

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★だから、ジョエル先生の授業では、個人で考えたら、すぐにPeerワークを行う。今では、それは当たり前になっているから、ジョエル先生が促さなくても、生徒は自然とそうなる。もちろん、最終的にはジョエル先生はフィードバックはするし、その都度質問にも対応している。

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★覚える作業も軽視しない。単語のチェックをQuizletを活用して行うのだが、そこでもジョエル先生の創意工夫が行き届いている。市販の単語の本などは使わない。生徒は、文学を読みながらわからない英単語がでてきたら、それを活用したセンテンスを書いて、ジョエル先生にEdmodoで送る。

★ジョエル先生は、それを集めて、整理して、そこから問題を出題する。ジョエル先生と生徒たちが問題作りをシェアするわけだ。盛り上がらないわけがない。

★ある意味、レヴィ・ストロースの「野生の思考」の形成の方法だ。学びのあるいは思考の独自のそれいて普遍的な文化をクラスにつくっていく。学習する組織ができあがる。

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★そして、最後は「ジャーナル」作業。「もしあなたがチャーリーと同じ状況に置かれたらどう感じるのか?」というトピック。クリエイティブであり論理的であり、共感性も必要とする思考作業だ。

★ジョエル先生は、私の授業はだんだんダイナミックになっていきますからと語りかけてくれた。たしかに、最初は黙々とスキャニングクイズに取り組み、Quizletではチーム戦になるから、大いに活動的になった。そして、ライティングになるとPeerで作業するが、行動は静かになる。しかし、それは没入しているからであり、身体的ダイナミックな動きから脳内のダイナミックな動きにシフトしたのである。

★心的ダイナミックさは身体的ダイナミックさよりも指数関数的に爆発している可能性がある。ジョエル先生の授業はスーパーモデルである。このような授業を世間の誰が知っているのだろう。ジョエル先生は、生徒と信頼関係を築くことが最高のミッションだろうが、それはもったいない。このような授業をスーパーモデルにして、先生方が教科を超えて学ぶ機会は作れないものか。

★教務主任の田中歩先生は、幸せの青い鳥は、自分たちの学校の中にいるんですよと笑みを浮かべて語るのだった。

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