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2019年6月27日 (木)

学校雰囲気(03) 2つの聖光学院が世界の雰囲気を変える

★今、静岡聖光学院と横浜の聖光学院の生徒合わせて4人が、マレーカレッジ国際サミットに参加している。東南アジアの国々から集まった学校の生徒が参加している。昨年、静岡聖光学院がマレーカレッジと国際交流を開始することがきっかけとなって参加を促されたようだ。STEMをベースとしたキーノートスピーチ、アクティビティ、ワークショップ、プレゼンテーション、エキシビジョンなど1週間続くプログラム。

★2つの聖光学院は、修道会が同じなので、学校法人としては独立採算なのだろうが、教育活動の連携はとりやすいのだろう。

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(写真は、すべて静岡聖光学院のサイトから)

★静岡聖光学院のサイト【聖光見聞録特別編~マレーカレッジ国際サミット6日目】によると、静岡聖光学院は、静岡市が誇るがタミヤ模型と連携したプログラムを披露したようだ。タミヤの模型を組み立て、改良を試み、高性能のマシンにしていく過程をSTEAM教育として実施している。同サイトのぺージにはこうある。

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――今回のプレゼンテーションでは、タミヤ模型の代表作でもある「ミニ四駆」を用い、モーターやギア比の関係から、どういう組み合わせがマシンを早くさせるか、またMaBeeeという特別な電池と組み合わせることで、プログラミングの要素を組み込んで作動するミニ四駆をテーマにプレゼンテーションを行いました。MaBeeeを用いることで、様々なモノがIoT化していきます。そこにミニ四駆の、仕組みは簡単ながらも工夫によって機能が向上するマシンを組み合わせることで、新たな価値の創造を感じさせるプレゼンテーションとなりました。

★横浜の聖光学院の生徒のプレゼンテーションとエキシビジョンについてこうある。

――共に参加した聖光学院の生徒はSuperScienceHighscool(SSH)に指定されていることから、SSHでの活動でもある「聖光塾」についての説明を行いました。横浜の聖光学院は、日本でも東大合格者の数はトップレベル。堂々としたプレゼンテーションを行うことができました。・・・聖光学院のブースでは、LEGO®️SERIOUS PLAY®️のメソッドを用いて、これからの日本の社会のあり方について表現したり、参加者の個別の振り返りをしました。

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★静岡聖光学院もLEGO®️SERIOUS PLAY®️のメソッドを普段は使っている。かくして、2つの聖光学院は、大学合格実績を競う枠を越えて、もっと大きな目的のために教育活動を行っている。このマレーカレッジ国際サミットの例は氷山の一角で、両校の日本における普段の教育活動がすでに開かれた世界の論理を土台に行われているからこそ、語学研修ではなく、STEMベースの国際サミットで、活躍できるのであろう。

★静岡聖光学院は、51年前に創設された当初から学習指導要領を超えた学問領域を自由に学ぶことが伝統であり、横浜の聖光学院は17年前に教科のカリキュラムを超えた知のプログラムを大学や企業など外部団体と連携して行うプログラムを充実させてきた。

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★日本の中にいると、STEAM教育の全貌はまったくみえていないがゆえに、その重要性にはまだまだ気づかれていない。しかし、世界から見ると、日本の学習指導要領だけでは、未来は開かない。STEAM教育の実施は喫緊の課題である。

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★2つの聖光学院は、先進的教育と日本の文化の奥行を、東南アジアで共有している。この活動は、東南アジアと日本の関係を新たな教育で結ぶ。したがって、世界が変わる契機が生まれる。東南アジアの世界におけるプレゼンスは日に日に高まってきているから、その拠点との連携が世界をいかに変えていくのか楽しみである。そして、2つの聖光学院の4人の生徒はそのビジョンを確かに見通せただろう。

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