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2019年6月 2日 (日)

工学院の授業見学会 教師も生徒も内なる炎をたぎらせる(2)

★29日の夜だったか、平方校長からショートメールが届いた。「とにかく景色が変わったから、31日と1日の授業見学会に参加してください」と。気づくのが遅かったが、「31日は関西にいるので、1日だけになりますが伺います」と返信した。しかし、何も応答はない。問答無用ということか?いやバンコクに旅立つ直前にメールをこちらに投じたからそのままなのだと了解した。

★私は、平方先生が聖学院の校務部長時代からこの世界に導かれてしまっているというコトもあり、また、当時の聖学院のプロジェクトにも参加させていただいていたということもあり、少しは平方先生の気持ちや判断がわかるつもりでいる。それに、当時のプロジェクトのメンバーの先生方は今や聖学院をしっかり背負っているし、学校を超えて、今も21会をはじめ外部でも活躍されている。

★聖学院の先生の中には、工学院でも行っているムチャブリともいえる平方先生の言動を羨ましく思っている方もいる。なんだかんだといって先頭に立って、聖学院の未来の時代を拓くために、子供たちの未来の価値を生み出すために、未来のサバイバルスキルを実装できる学びを開発するために、奔走し体当たりしていたのを知っているからだ。合言葉はパッション=殉教だったから、その場にいた私は目を丸くしていたのをときどき思い出すくらいだ。

★そのときは、面食らっていたことも正直あるだろうが、その先生方が、今平方先生と同じことを聖学院や教育界で行っている。パッション、ミッション、そして実存。

★とはいえ、平方先生は、一方で気遣い溢れる人である。だから、いきなり問答無用で何かを依頼することはない。だから、これは、本当にある確信を抱いたのだなと思い、31日の新宿キャンパスで行われたハイブリッドインタークラスの授業見学にはいけなかったが、1日は参加することにした。

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(写真は、同校facebookから)

★工学院のSNSは、情報発信力が並でなく、31日の授業見学の様子も、即日掲載されていた。たしかに、昨年に比べ参加者が増えている。帰国生の市場を思えば、たいしたものだ。それに、写真をみると、カリキュラムマネジメントリーダーが語っている。繊細かつ大胆で、気遣いと批判的精神の持ち主。もっともすごいのは、市場リサーチをしつつ、組織や受験生の保護者、大学関係者など内部と外部のネットワークを有機的につなげることに無理をする人。いつもシステム思考がフル回転していて、本当は人間には見えない俯瞰地図をなんとか描こうとする一方で当事者間のマインドセットもしようとする得難い人材。

★このへんは、ちょっと日本人の感覚ではわかりにくい。しかし、留学生、帰国生、海外からの教師などは、三者三様であるが、共通点は極めてケアの精神を相互に大切にするし、緊張とか不安とかナーバスとかいうのは、日本人とのコミュニケーションの時に発生しやすい。それは、私自身の経験でもある。私自身はおもてなしや気遣いをしているつもりでも、まったく空回りしているということがよくある。

★帰国子女の市場は、今までのように日本国内の中学受験市場の延長上でとらえることは不可能な時代になった。もちろん、今も延長上でとらえている帰国生もいる。しかし、やはり教育の世界もグローバルになった。帰国生の質も変わったけれど、帰国生入試の枠を活用する受験生も多様になった。偏差値で学校を選択せずに、教育の内容で選択する受験生が増えた。しかも、そこには、ケアのマインドが求められる。

★誰か一人の先生が担当者で、その先生の面倒見が良いという程度では、それは満足されない。もちろん、そのようなコーディネーター役の教師が存在したうえで、先生同士が連携できる情報シェアの環境があるか、英語のみならず日本語や他の言語の環境もあるかなど、いかにシステムになっているか情報リサーチに学校説明会に訪れるのである。

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★そういう意味で、新宿キャンパスでの授業見学会はケアフルで、多言語の環境が高1から高3まで揃っている普段の授業を公開できるところまできたのだと写真からではあったが了解できた。

★しかも、グローバルな世界で言語といったとき、それは思考力も同時に意味する。当日は高1は中国語の授業、高2高3は哲学の授業(もちろん英語で)で行われたようだ。

★なるほど、平方校長は2014年から改革を立ち上げて、丸6年がったって(今の高3はプレ改革学年で、ファーストペンギン学年。私も昨年この学年の生徒の皆さんとあるイベントをいっしょに行う機会があって、彼らがいかに挑戦者であるか、コミュニケーション力やファシリテーターのロールプレイができるか身をもって感じている)、ある水準まで教育改革は進化したと判断した。だから、とにかく見学してよということだったのだろう。

 

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