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2019年6月26日 (水)

学校雰囲気(02) 麻布の自由に学べるかどうか。

★麻布と言えば、偏差値も高いし、大学合格実績も誰もが認める成果を挙げている。しかし、大学合格実績を最終的に目的にしているわけでも、強者の論理がその文化のベースにあるわけでもない。

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★麻布のOBが、麻布の遺伝子をサイトで継承している「麻布流儀」というサイトがある。その中で、「平校長のインタビュー」が掲載されている。平校長のAコードとCコードの話など他の学校では想像もつかないような抱腹絶倒のエピソードなどがあり、おススメのページであるが、その中で次のような箇所がある。

「麻布の自由は入学すればすぐわかると思います。私服だったり、休み時間にコンビニに行ったり、髪の毛を色々な色に染めたり。授業中はダメだけどスマホなんかを持ってきてもOKだし。いわゆる校則がない自由がクローズアップされがちだけれども、むしろ精神の自由だとか、内面の自由を大事にしている。学園紛争のあった1970年前後で、今までの制服が標準服になり私服もOKになったのだけど、ただそこで求めていたのはそういった外面的な部分ではなく、受験に役立つような授業だけではなく、本当の学問を教えて欲しいと求めた生徒もいたし、それまであった校則の意味を問うなど根源的な問いかけがあり、それが麻布の自由につながったと思います」

★まさに、大学合格実績の枠を超えた大きな人間的存在理由をベースにした学校の1つであることを示唆している。

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★制度としての自由を生み出す精神の自由や内面の自由を大事にしているというのは、開かれた世界の論理がベースというコトも意味しているだろう。

★麻布のような学校になることは、様々な条件が違うから不可能であるが、その精神の自由が成立する教育環境や学びのメカニズムを学ぶことはできる。

★そのメカニズムを研究するには、「論集」や「麻布の中学入試問題」を読み解くところにヒントがあるだろう。

★新タイプ入試のトレンドが2020年中学入試でもさらにダイナミックになる。その中で「思考力入試」というタイプの試験があるが、その試験を最初に作った学校は、公立中高一貫校の適性検査ではなく、麻布の入試問題に学んだ。その学校の今の先生方は、そのときに立ち会っていないから、そのことはもう忘れ去られているだろうが、新タイプ入試にも麻布流儀が影響していることをここに刻んでおきたい。

 

 

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