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2019年6月14日 (金)

【未来を創る学校13】順天 グローバルシチズンシップに満ちている学校

★来年はいよいよ東京パラリンピック・オリンピックだが、今から35年前に実施されたときに、順天は、さっそく海外派遣制度を実施し、「若い目で見た世界」を学内に取り込もうとした。たんなる語学研修ではなく、「世界」を見て感じてくるマインドを大切にしていた。そこから、試行錯誤して、世界にどう臨み、生徒自身が世界的視野で何ができるかという活動が続いた。

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(写真は順天サイトから)

★そして、いよいよ1989年のベルリン壁が崩れる年に向けて、国際社会の動きが変わり始めた。しかし、それは突然起こったのではなく、1980年代にその兆しはあり、どんどん増してきたのである。SGDsは2015年に採択されているが、それとても、その前の準備段階がそうとうある。

★1980年代になって、それまで政府主導の介入によって行われてきた発展途上国の開発政策が、行き詰まりを見せてきた。この政府主導の介入は、組織の悪弊ともいうべきによって起こるから、制度改変はすぐにはいかない。そこで、活躍し始めたのがNGOである。日本では1990年後半になって、特に95年の阪神淡路大震災の時に注目されたボランティア団体の活躍によって、NPOが法的に本格的に確立されるようになるのだが、順天は速かった。1980年代に、海外ボランティア派遣を断行していった。

★そして、10年単位で、ボランティアベースのグローバル活動を学内に広めていった。その実績がSGH認定校として文科省に認められたわけであるが、そうなってからというもの、海外修学旅行だけではなく、海外フィールドワークが増え、ボランティアベースのプロジェクトがたくさん立ち上がっている。

★中でも、フィリピンのスモーキーマウンテンをはじめとするゴミ山で、スカベンジャーとしてゴミをお金に換えて生活している子供たちのエリアにフィールドワークしてくるプロジェジェクトはすさまじい。

★教室から出でてこそそこに真理があるというような趣旨を寺山修司が言っていたように記憶するが、その真理の凄惨かつく深さはそこに行った順天の生徒しかわからないだろう。

★かれれらの人生はこれによって変わり、世界というものに対するものの見方も変わったという。学びはアクションにつながらなければと探究の時間で叫ばれているが、そんな安心安全のエリアで生徒に偉そうに言ったところで、何も響かないだろう。

★圧倒的な現実とその背景にあるいかんともしがたい歴史の神の前で、彼らは途方に暮れる。そしてその途方に暮れる生徒をどうにかさせようと同行した教師も途方に暮れるのだ。そんなとき、解決の糸口は、自分たちが救おうと不遜にも思っていた、目の前の子供たちから、突破口の気づきを得るのである。

★グローバルコミュニケーションとは、英語ができればよいというものではない。できなければ困るが、それよりももっと大きな大切なものがあるのである。

★フィリピン体験をはじめ、順天というスペースでボランティアベースのグローバルシチズンシップ体験をした順天の教師も生徒も、大人と子供の関係ではありえない。

★35年前の東京オリンピックのときに、順天が世界へ目を向けたように、2020年東京パラリンピック・オリンピックで、さらなる謙遜と愛のある(=ボランティア精神)グローバルシチズンシップの重要性が世界の人びとシェアリングされる日がやってこよう。順天の生徒はグローバルシチズンとしてっジェネレーターとなっているだろう。

★拝金ベースのグローバル富裕層と謙遜と愛ベースのグローバルシチズンの違いが何であるか、世界中が意識するように変わるのである。

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