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2019年5月13日 (月)

工学院の高いプレゼンス 学内では当たり前の日常

★昨日、ニューヨークで、帰国生のための海外学校説明会が行われた。主催は、海外子女教育振興財団(JOES)。毎年、この時期に、米国や欧州、アジアで、大キャラバンを組んで行っている。大移動でタイトな説明会である。そのスケジュールの中の一つの都市ニューヨークで、学芸大国際中等教育学校と早稲田大学本庄高等学院と並んで人気を博したのは工学院だったと聞き及ぶ。

★また、昌平と茗渓がIB認定校として人気があったように、工学院もケンブリッジイングリッシュスクール日本初認定校として注目を浴びたという。さらに、News Picksという時代を牽引するリーダーや組織が厳選されて掲載される雑誌に、6ページにもわたって紹介された工学院としても話題を呼んだという。その冊子には、落合陽一氏や孫正義氏なども登場しており、ICT関連企業や国際関係の仕事で活躍している人や起業家が読む雑誌でもある。

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★ニューヨークという最先端のアートや文化都市で、日本にはないソフトパワーの市場が広がる中で、プレゼンスを示した工学院だが、学内では当たり前の日常的な存在なのである。

★おそらく見なければわからないどこの学校でも展開できないほどの英語の授業を行っていて、News Picksにも写真入りでインタビューされている教務主任の田中歩先生も、あまりに軽やかに授業を行っている。

★世の中がどうみようと、廊下ですれ違い際に、生徒と対話したり、授業でファシリテーションしながら生徒が日々変容していく姿に出会える日常を持続可能にすることこそ大切なのだと田中先生は言う。

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★この間も、高2のハイブリッドサイエンスコースの英語の授業で、動物を人間の生活の中に巻き込むことの是非をディベートしていた。もちろんオールイングリッシュで、最終的には、個々人がエッセイライティングとしてレポートを完成、edmodoでポチっと提出していた。

★ケンブリッジやオックスフォード大学は、口頭試問で「かたつむりに意識はあるか」とか「自分は賢いと思うか」と問いを投げかけてくる。だから、ケンブリッジイングリッシュスクール認定校として、テキストで、この手の哲学的な問いも考えることがもはや当たり前の日常になっているのだ。

★逆に言えば、このような思考問題がないと、生徒は何か違和感を感じるだろう。日常とはなくてはならないかけがえのない時空なのだから。

★今年の春、ある大学で次のような小論文の問題が出題された。

(1)医学研究における動物実験の貢献について説明しなさい。

(2)医学研究における動物実験の必要性と問題点について、あなたの考えを 述べなさい。

★この問題は東大理Ⅲの「平成31年度外国学校卒業学生特別選考小論文問題」である。要するに帰国生のための入試問題だ。説明するまでもないが、工学院の日常の英語の授業は、東大の帰国生入試のレベルなのだということだ。もちろん、そんなことはことさら意識さえしていないだろうが。

★そもそも東大自体が、IBやAレベルの問題をリサーチしたうえで、帰国生に対応しているから、このような問題になっている。つまり、東大は一般入試ではここまでクリエイティビティを要る問題は出題しない。論理的思考で寸止めしている。

★だから、一般受験をする日本の生徒は、どんなに偏差値が高い学校で学んでも、このような問題の地平に立つことができない。一般受験をするのに、このような問題を見てしまったらどうなるか。それはもう違う地平に立たされていると不安に思うだろう。

★しかし、それが世界標準の地平なのである。かくして、工学院は、世界標準を日常の学びとしているのである。ニューヨークで高いプレゼンスを示すことになるのは当然だったのである。

 

 

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