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2019年5月 5日 (日)

未来を創る教育<06>21世紀型コミュニティの可能性

★コミュニティと組織は違うだろうか。まして21世紀型コミュニティとか21世紀型組織となるとどうだろう。たとえば、株式会社なら、経営的コミュニティを維持運営するために組織がある。学校も経営的な組織と教育組織がある。しかし、株式会社に比較すると学校は教育コミュニティのイメージが強い。

★また、実際には株式会社の場合は、株主コミュニティがあるし、学校も理事会コミュニティもある。組合コミュニティというのもある。このコミュニティを維持運営するためにあるかのようだ。国家は、国民コミュニティなるものがあるはずだが、この絆は感情的なものよりも税制度という組織的なつながりが前面にでてくる。国家のコミュニティはどちらかというと官僚コミュニティや政治家コミュニティというイメージが強いかもしれない。しかし、その背景には法律家や会計士のコミュニティがある。

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★非常に複雑だ。事務所という組織とその組織同士のコミュニティ。その事務所もそのコミュニティも多様なステークホルダーとネットワークをもち、そのステークホルダーもそれぞれ事務所とコミュニティのネットワークにつながっている。

★新しい組織やコミュニティが誕生したり消滅したりしているが、それは誰かが創りたいから創ったのか、閉じたいから閉じるのかといったら、それはこの複雑なネットワークが必要とするかしないかに拠る場合がほとんどだ。

★組織にしてもコミュニティにしても、実はその複雑系のネットワークの目に見えない要請が生み出している。その要請をSoulという。Soulが多くのネットワークに認められ、その複雑系ネットワークが最高善に通じるものであれば、持続可能だし、そうでなければ消滅する。

★近代はファシズムみたいな暗黒面のコミュニティを時々生み出していくが、デモクラシーネットワークがその都度、それを撃破する。今のところ、いろいろ言われているが、デモクラシーの複雑系ネットワークの目に見えないSoulは生き生きとしている。

★21世紀型コミュニティは、このSoulを分有している組織によって持続可能性を増大するだろうし、自らもこのSoulを共有し続けなければならない。そして、そのために多くの場合、たとえば、ロシア正教のイコンやHOPIのカチナ人形のように、その目に見えないSoulを見える化して伝統を継承する。現代的には会社やコミュニティの「ロゴ」がそうだ。

★しかし、ロゴとイコンやカチナ人形の違いは、ロゴを造るのは、組織であり、イコンやカチナ人形を創るのは、組織だけではなく、メンバーもである。メンバーは新しい血が増えていく。その新メンバーもまたSoulを見える化する。だから新しいアイデアも加わる。イコンもカチナ人形も久しい歴史の中で少しずつ多様化しているのは、そういうわけだろう。

★たとえ太陽王ルイが絶対君主だったとしても、彼があの帝国をつくったわけではない。太陽王のロールプレイはしただろうが。官僚や貴族や軍人、市民が目に見えないSoulを共有したからだ。しかし、そのSoulを共有できない人々があまりに多かった。デモクラシーのSoulの方が普遍的だったから、やがて、滅んでいくのだった。

★よく1人では何もできないとコラボレーションの話がでてくる。それは今始まったことではなく、人類が誕生した瞬間からそうなのだ。エヴァンゲリオンの不安が故の人気は、この誕生を否定する時代の預言である。そして、その預言は、21世紀に到来しているAI社会が担っている。

★その預言が平和をもたらすのか殲滅をもたらすのか。希望と不安が揺れ動く。21世紀型コミュニティとか21世紀型組織とか、いったいどうなるのだろう。少なくともトップダウンかボトムアップかとか、ティール組織かという話は、この壮大なコミュニティ創生の歴史の動きに耐えられるかどうかはわからない。

★ただ言えることは、コミュニティは誰かが創るのではなく、Soulを現実態にするロールプレイの共演の新陳代謝の持続可能性というものが生成しているというコトなのだ。「私が作っているのだ」と語る人のなんと多いことか。20世紀型コミュニティや組織は、十牛図でいえば、やっと2番めの図に進んだあたりだろうか。21世紀は、せめて8番目まで歩を進めたい。

★そりゃあ、急転回、激動のダイナミクスが生まれるはずだ。

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