三田国際学園のさらなる進化(01)またもアップデート
★三田国際の教頭・広報部長今井誠先生から、新しくスタートした中学のMSTクラス(メディカルサイエンステクノロジークラス)の授業の様子を見学して欲しいと連絡があった。まずは見て欲しい、驚きの景色が広がっていますからということだった。
★すでに昨年、高校のMSTコースがスタートして、そのすさまじさは知っていた。探究というより研究というレベルでの授業が展開し、生徒も自らの研究テーマを見つけ、活動しているのを知っていたから、それ以上の景色が広がるとはいったいどういうことだろう?と想像ができなかった。
★まずは見てくださいよと語る今井先生の笑みに誘(いざな)われて、中1のMSTクラスに入ってみた。思わず、今井先生と目を合わせてしまった。これが本当に中1ですかと。4月のオリエンテーションが終わって、長期のGWが明けたばかりの中1。ついこの間までは、小学校6年生だった。
★確かに、これまでの三田国際の中1生とは何かが違う。しかし、にわかにはそれが何であるかわからなかった。そして今もわからないが、2つの授業を続けざまに見たので、メモを書きながら考えていきたい。
★それにしても、今井先生の笑顔はすてきだ。今の三田国際は、2013年のまだ戸板学園という女子校だったころから、改革準備を進めた。今井先生は、大橋清貫学園長とスクラムを組みながら、英語の改革、PBL授業の開発を推進していた。内発的要因の力を醸成するのは、学内が一丸となる重要な組織開発でもあった。
★しかし、その組織の良質な内的要因力も、外部のマーケットに認知され評価され共感されなければ元の木阿弥である。大橋清貫学園長と今井先生方は、外部のマーケットでアテンションをあげ、外部要因の力を巻き込む戦略を考案し実践した。
(2014年5月8日、2015年から三田国際スタートの準備についてインタビューした当時の大橋清貫学園長)
★2014年の新学期がスタートするギリギリまで、学内調整、OG調整、理事会調整が続いたに違いない。そして、ついに山は動いたのである。2014年4月新学期を迎えると同時に、2015年から三田国際に校名を変更し、共学校になることが発表された。そこからの破竹の勢いは、あまりに周知の事実で、説明するまでもないだろう。
★そうしているうちに3年が経った2017年に、中学から高校までの生徒募集が学則定員を満たし、内的要因力も充実した。しかし、改革3年目は、何もしないとキャズム(進化が止まる溝)が生まれるのは世の常である。
★そのキャズムを軽やかに飛び越えなければならない。2018年からは高校募集を停止し、内的要因力もさらにパワーアップした。偏差値も急上昇した。「スーパーイングリッシュコース」を「インターナショナルコース スタンダード」と「インターナショナルコース アドバンスト」の2つに分けた。そして、「スーパーサイエンスコース」は「MST(メディカルサイエンステクノロジー)コース」にアップデートした。何より、「本科コース」をリベラルアーツベースのアカデミックなコースに変貌させた。それは、中学から行ってきたゼミ活動の成果が実ったからだと今井先生は語る。
★いずれにしても、4コースのソフトパワー準備教育が完成したのである。
★こうして改革準備期間(2年間)→中高6年間の定員充足と内的要因の充実(3年間)→ソフトパワー準備教育のアップデート(1年間)という3つのステージの進化を遂げてきたのだが、2019年さらに中学においてもMSTクラスを設置することになった。三田国際としてスタートして、まだ5年目である。準備期間を入れても7年目である。
★指数関数的な進化過程に、たしかに驚かざるを得ないではなないか。それにしても、進化とは内的要因力のクオリティの向上と外部要因力を巻き込む戦略のアップデートが二重螺旋になっている。どちらか一方でも手綱を緩めると、瓦解する。
★三田国際は、そうならないように、つまり、停滞の持続可能性ではなく、進化し続けることの持続可能性に向けて、次々と手を打っていく。2020年、2021年とそのプランは、もちろんできていますよと今井先生。それが何であるのか、そのヒントは今年の中1のMSTクラスの授業の中にあるのだというのである。
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