21世紀教師の歩む道(01)21世紀教師は教育ソフトパワーのリーダー
★5月26日(土)、富士見丘のペントハウスラウンジで「21世紀型教育機構 第2回グローバル教育カウンシル」が開催された。このカウンシルは、21世紀型教育機構の各加盟校の21世紀教師が集って、同機構のビジョンとその実践を共有し、新たな教育ソフトパワーを創発することを目的としている。
★1時間目のホームルームと5つの授業という学校スタイルで、ミニPBL型講演。丸一日の研究会だったが、あっという間に時間が過ぎた。
★1時間目は、21世紀型教育機構の理事長吉田晋先生から、「21世紀教師のミッション」について講演があった。吉田先生は、第6期・第7期の大学入試改革の審議をスタートした中教審メンバーの1人。日本私立中学高等学校連合会会長として、久しい間、私立学校の教育振興のために奔走し、同時に公立学校の教育の行方も文科省には要望書などを送る活動をしてきた。
★したがって、今回の大学入試改革という日本の教育全体に影響を与えるメンバーとして、中教審メンバーの任期終了後も、様々なワーキンググループの委員を歴任。昨年、文部科学大臣表彰を受賞している。
★今回は、まず、いくつか文科省に意見や要望を送っていることについて説明があった。2020年大学入試改革で、いまだに議論が続いている英語の民間試験導入を巡る問題、税金で成り立っている国立大学の間で、民間試験の活用方針がまとまりきれないことによる、高校生の進路選択の準備への支障などの問題、離島の高校生の民間試験の活用を巡る問題などに触れた。
★とにかく、高2生は、今年の11月ごろからはじまるセンターが発行する共通ID登録をしなければ、「大学入試英語成績提供システム」を活用できない。今のところこのシステムを利用しなくてもよいと発表している大学が、2020年になって、やはり利用することにするなどとなると、志望していたのに受験資格を取得できない可能性もある。もちろん、対応するだろうが、大学進学準備に集中しなければならない時期に、手続き的な手順に関する不安を残したままというのは教育行政やそれを支援する民間試験団体も責任を持つ必要があるのだ。
★だから、吉田先生は、文科省には要望書を出すだけではなく、ワーキンググループの会議の中で、歯に衣着せぬ議論をしているのである。
★また広域性通信制高校のともすれば、「卒業資格」を取ることが目的になり、教育が空洞化している学校もあるなど実態調査し、そのような学校の場合、通信制高校の教育の仕方の修正についても文科省と議論している。
★いずれにも、私立学校のみならず、公立学校にも及ぶ日本全体の範囲で、生徒1人ひとりに正しい教育が行われるよう教育貢献を果たしている。
★そして、このような教育の政策論や目的と手段の転倒は、今すぐには是正されない。したがって、このような過渡期にあって、私立学校の教師は、特に21世紀型教育機構の加盟校の教師は、この混乱ともいうべき事態に、動揺することなく、信頼性・正当性ある教育を実行していこうと吉田先生は語る。
★そして、そのためには、知識・理解という低次思考でとどまる授業をするのではなく、論理的で創造的な思考力を基礎とするPBL型授業の実践の重要性を指摘する。世界の根本問題を解決し、未来を創っていける人材が成長する授業システムを21世紀教師として開発するソフトパワーを鍛えて欲しいのだと高らかに謳った。
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