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2019年5月20日 (月)

2019年東京私立中学合同相談会 in 国際フォーラム(7)新しい風が吹く聖地

★今年開校したドルトン東京学園。生徒募集は成功して大人気。学費が高くても、集まる魅力は何だろう?合同相談会のブースには、たくさん受験生・保護者が集まっていた。

★連休明けの海外帰国生対象の説明会もなかなか好評だったと聞き及ぶ。ニューヨークやワシントンで学校の教師とは質感が違うジェントルマンがドルトンの教育を語る。その豊かな知恵とものごしにすっかり魅了されたようだったということだ。

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★いすれにしても同校関係者は、今後は尖った教育を創り上げていくというコトだった。何せ、大正自由教育で我が国に紹介されたドルトン教育は、軍事教育にはまったく相反するもので、そういう意味では、なかなか大変だったようだ。IBやラウンドスクエアを創設したクルト・ハーンも同時期に同じ憂き目にあった。

★それゆえ、尖ったというのは、コントロールから自由で、新しいものや世界を生み出す才能が開花するような教育を行うということだろう。当然学習指導要領など気にしないだろうし、社会科や理科なども知識を憶えるようなことはするはずがないだろう。

★民主的な法律以上の細かい校則などもないはずだ。自由と協働という理念を全うするのだからわくわくする。しかし、どんな教師を集めたのだろうか?「自由」と「協働」という矛盾を抱え込む教育を実践する教師というのはどこから集まってきたのだろう。

★自我を捨て、こだわりを捨て、世のしがらみを捨て、ただひたすら生徒の自由な精神に奉仕する教師。そして、その自由が協働によってますます真理として成長する。

★デューイのヘーゲリアンウェイの自由の弁証法とモンテソッリーの型と時間制約が生み出す自由の生成。そういう根源的な人間存在を支える自由を生み出すことは、いかにしたら可能なのだろうか。

★入試問題も、文科省の期待する適性検査のスタイルではないだろうし、塾予備校が作る模擬試験型でもないだろう。どんな問題だったのか。じつに興味深い。いずれ、公開されるだろうから、楽しみである。

★とにかく、日本の今までのあたかもカント的な自律=規律を重視する教育に、それをぶち壊す自由の弁証法を対峙していくことになると推察するが、それはいまだかつてない偉業となろう。

★それにしても、成城学園前駅からすぐ近くのロケーションにある。そもそも成城学園は、創設当初ドルトンの教育を実施していたらしい。桐朋女子―ドルトン東京学園―成城学園が集積するこの世田谷区隣接エリアは、国分寺崖線に含まれるのだとしたら、それはICUにまで延びる。国分寺崖線には、まだまだ私立中高一貫校がたくさんある。再び教育の聖地が現れるかもしれない。大いに期待したい。
   

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