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2019年5月10日 (金)

21世紀私学人(01) 香里ヌヴェール学院小学校 西山哲郎校長

★本日、香里ヌヴェール学院小学校で、教育関係者対象の説明会が行われた。40代の若手校長西山哲郎先生が就任したと聞き及び参加した。自然体で静かな情熱で軽やかに語る。留学はしないで、自ら独学で英語を体得し、前任校東大寺学園で大活躍。とにかく発想が全く違う。

★英語を学ぶ環境を探しに行くのではなく、自分の周りを英語で遊び、英語で学び、英語で歌い、英語で語る環境にしていく。まさにプロジェクト学習を小学生のころから独自に行ってきた。

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★お笑い的な笑いではなく、機知に富んだユーモアが新鮮だった。とにかく、入学式を行ってから1カ月が経った。徹底的に教師と共感敵的なコミュニケーションを行い、大いに子供たちと遊ぶ。

★しかし、それは発想の転換という遊びである。雨が降った入学式だったが、考え方を変えることによって、豊かな恵みに変えてしまう魔法使いだ。21世紀型私学人は、使う言葉も違う。

★基礎学力とか知識ではなく考えることが大切だなんていう紋切り型の言説は使わない。それがすごく新鮮だ。

★自らも英語を使って、生徒たちとグローバルな舞台で活躍してきたから、世界を身に染みて丸ごと理解している。SDGsも確かに大事だけれど、世界はその背景にある哲学や思想を対話する。文化を知らねばと言われるけれど、多くの場合は、それは自国や他国の文化に関する知識を調べることに終始する。

★それでは、世界で対話ができない。歴史の知識ではなく、歴史観やものの見方をトレーニングしておかないと話にならない。そんなことを軽やかにエピソード風に語る。

★21世紀型私学人がようやく現れた。明治維新に誕生した私学人は、自ら学びの環境を創ってきた。もちろん、世界に学びながらも、それをパッケージとして丸ごと飲み込むことはしなかった。しかし、戦後の私学人は、教育産業が生産したパッケージを丸呑みする。そういうのを私学人とは呼び難い。

★しかし、ようやく、本物の私学人が現れた。独りよがりではなく、世界の学びの方法論を学びつつ、一方で現実の生徒に適応するようにトランスフォームできるジェネレーターとしての私学人。

★そして、西山校長の21世紀私学人としての面目躍如なところは、人材育成を組織開発というメカニズムで生み出すスタイルだということだ。いくら1人ひとりにこうやれこうしろと説いたところで、人材は才能を開花しない。草木も水を注ぎすぎ、肥料をやり過ぎたら、成長するどころか枯れてしまう。

★人材育成も同じだ。才能を開花する学習環境を創ることだ。これは西山校長は得意とすることだ。自分で考え自分で創り多くの人を巻き込むアクションをとってきたのだから、それを今度はもっとスケールを大きくしてやればよいのである。システム社会の始まりは対話という単位からだが、西山校長の対話による発想転換法は世界を開く勢いだ。環境はなければ、自分で創ってしまえという発想の転換そのものを、自ら生み出してきたのだ。

★日本の教育は自らをどうやって変えるべきか悩むより、世界をどう変えるか先に考えたほうが、手っ取り早い。西山校長の眼差しは、そこに向かっていた。

★説明会のアンケートはたいへん好評だったという、すかさすリフレクションしてアテンションをあげる戦術も長けている。21世紀私学人はこうでなければ!


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