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2019年5月 8日 (水)

「深い思考スコア」と「偏差値」(02)首都圏男子中学校 「深い思考スコア」ベスト20

★前回から晶文社学校案内編集部発行の「首都圏中学受験案内2020年度用」に記載されている「思考コード」で「深い思考スコア」を算出し、首都圏模試の「偏差値」との関係を読み取っている。今回は、前回の相関グラフを作成するときのデータから「深い思考スコア」ベスト20の一覧を紹介したい。

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★どんな点が読み取れるだろうか。

1)栄光、開成、麻布、駒場東邦、武蔵は、全体の「深い思考スコア」も高いし、算数と国語の「深い思考スコア」もバランスよく高い。

2)城北、聖学院以外は、算数の「深い思考スコア」が国語よりも高くなっている。

★東大の合格数で群を抜くには、算数と国語の「深い思考スコア」がバランスよく、どちらも60以上出題する必要がありそうだが、海城と聖光学院は、そうなっていない。これは、栄光、開成、麻布、駒場東邦、武蔵とは違い、両校は帰国生入試にも力を入れ、英語教育あるいはグローバル教育に、先の5校に比較して、かなり力を注いでいるからなのかもしれない。

★城北は、東大の進学指導のみならず、英語教育やICTにも力を入れ出している。入試問題も算数と国語の「深い思考スコア」のバランスもよい。もし、「深い思考スコア」を算数、国語両方とも50にすると、開城、聖光学院に並ぶ可能性がある。

★また、聖学院と佼成学園は、教科入試では、まだ「深い思考スコア」の問題を出題していない(あくまで2018年段階。上記データは2018年度のものであるから)が、新タイプ入試では「深い思考スコア」の問題を出題している。実は教科入試も新タイプ入試も両方に出願している応募者も多く、聖学院と佼成学園への入学準備の段階では、「深い思考スコア」の問題にも挑戦しているケースが高い。

★前回の記事のグラフで、聖学院と佼成学園が特異点領域にあると語ったが、それは、このような意味があるのだろう。2013年くらいまでは、偏差値の高い低いで、「深い思考スコア」の問題に取り組むかどうかを決めていた場合も多かっただろうが、2014年ころから、急激に増えてきた新タイプ入試によって、多くの生徒が「深い思考スコア」の問題に取り組むようになった。

★いずれ紹介するが、公立中高一貫校の問題は、この「深い思考スコア」の問題の出題が多い。すでに中学に入学する段階から、このような問題に取り組むことは、6年後に大きな影響を与えることは、イメージするのは難しくない。すでに、公立中高一貫校は、進学実績のみならず多様な学びの領域で大きな成果をあげている。私立中高一貫校もその例外ではない。

★私立中高一貫校の新タイプ入試は、2021年の春(大学入試改革初年度)にマインドセットしているところが多いから、2021以降の大学進学実績の地図がどう変わるのか注目したい。すでに、海外大学への進学が、偏差値ではなく、「深い学び」の環境があるかどうかで、決まっている昨今の傾向を見れば、変わる可能性はかなり高いだろう。

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