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2019年5月29日 (水)

池田靖章校長と立ち話

★昨日夕刻、偶然にも京都で、香里ヌヴェール学院中学校・高等学校校長池田靖章先生にお会いした。15分くらいの立ち話だったが、池田校長がビジョンに基づいて、教師の才能開発と組織開発に乗り出していることが明快に伝わってきた。

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★その日は、香里ヌベール学院のグループ校の小学校で学校説明会を行うために来ていたということだ。あとからそのグループ校の知人から聞くところによると、コースの丁寧な話はいうまでもないけれど、思春期を乗り越える時にどのように教師はサポートし、子供は成長していくかという体制の話と子どもの内面に迫る話で、新鮮だったという。

★中高時代は、生徒にとって疾風怒濤の青春期である。自分に悩み、友情に悩み、学力に悩み、多様な人間関係に悩み、笑顔の奥にフリーズした自分の表情をなんとか解氷しようとするそんな真っ只中にいる。しかし、それはあらゆる世界の痛みを自分ごとにし、そこから自分の殻をやぶり、仲間と共に、導師と共に、世界問題にぶつかっていく体力、知力、感性を身につけ、技術を鍛えている時を過ごしていることを示している。だからこそ、教師は、その殻の破れる音に耳を澄ましている。教師は殻を破る手伝いをするのではなく、生徒自身が自分で殻を破る環境を丁寧に創っていくのだ。池田校長はそう考えているだろう。

★今年6月、池田校長は、SGDsに関連するワークブックを発刊するが、同書は、そういう悩みを自分ごとに転化し、世界問題から自分を捉え直す大きな跳躍台になる。ヌヴェール科という探究活動で、先生方も使っていくが、このワークブックを編集する池田校長のマインドやビジョンに生徒が触れられるかどうかが重要。

★池田校長の廊下での生徒や教師との立ち話マインドセットは、その重要性に気づく有効な瞬間の永遠の場だろう。世界の痛みを身をもって知っている校長。これからの教育のリーダーシップは、そこから出発できる教師の存在が肝だろう。「21世紀」という時代は、学力という客観的な知識の習得に煩わされる時代から内面や思考という存在そのものを共に受け入れ開発していく時代への転換期ということなのかもしれない。

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