21世紀型教育の意味(10)聖学院 授業デザイン研究会アップデート 学習する組織とU理論を統合 ③
★ファシリテーター波部先生は、ダイアードのあと早速授業スクライビングのワークショップに歩を進めた。英語科の井上先生が自らの4技能をフルに生かした50分の授業を7分間に圧縮して物語として語った。それを同時に数学科の本橋先生が転写、すなわちスクライビングをしていく。ただし、文章や箇条書きではなく、できるだけフローチャートに「置き換える」行為をする。
★波部先生のスクライビングRP(ロールプレイ)をする先生を選択する時、本橋先生を選んだのは、数学科の先輩であり、頼みやすいというコトもあっただろうが、本橋先生が多言語主義者で、英語も堪能であるというコトもあっただろう。
(左から7分間で授業の物語を語る井上先生。物語をフローチャートに置き換える本橋先生)
★この授業スクライビングは、実は創造性のループとしてシークエンスが連なっていく。そもそも井上先生の授業は、何か教科書やテキストに依拠しているのではなく、授業展開や授業素材はすべて自前だ。つまり授業創造を行っているのである。
★それを7分間の物語に再創造するわけである。また、本橋先生も転写するけれども、フローチャートとして置き換えるわけだから、これもまた再創造なのである。
★授業スクライビング終了後、波部先生は、本橋先生にフローチャートを使って、井上先生の物語を再現するプレゼンを促した。この手順は、波部先生自身、経験済みなので、なんなく遂行していた。
★本橋先生のプレゼンを、井上先生は真剣に耳を傾けていた。2度目の経験であるが、今回は4技能と思考コードの関係を考えながら創意空をした。思考コードは昨年秋以降に聖学院が取入れることに決定したいから、そういう意味では、井上先生はここのところチャレンジングで、果たしてこれでよいのかどうか困っていると吐露して物語を語ったぐらいだ。
★本橋先生のプレゼンを聞いている参加メンバーの息使いや嘆息する反応も聞きながら、自分が困っている現状の認識が井上先生の内面で渦巻いていただろう。しかし、その渦はまだまだ序の口だった。
★とぴうのも、ファシリテーター波部先生とナビファシリテーターは、この段階ですでに、「困っている」という事態をどのように解消できるのか、といっても解決策ではなく、井上先生が自らこれでよいのかどうか判断できる足場をこの場でどう生み出すか、スクライビング後のプログラムの進行を少し調整しようという話になったのだ。
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