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2019年4月19日 (金)

学びの組織を開発する先生方と共に≪18≫ アサンプション国際小学校 進化する<学習する組織>(了)

★アサンプション国際小学校が英語の授業やICTを活用した授業を展開しているのを見た時、他校と違うと感じるのは、とても自然体だということである。いかにも英語が大事だから有名な教材や学習方法を取り入れてますとか、ICTも最新アプリをいれて3Dプリンターも入れて先鋭的な最先端教育をやっていますという、外部企業からのパッケージラインナップを見せられるのとは大違いということなのである。

★これは、もともとアサンプション国際の経営母体が世界のネットワークとつながり、グローバルな研修を積んできているし、丹澤校長自身が米国で教鞭をとっていたということもある。それにネイティブスピーカーの教師も多いから、海外のエスタブリッシュな教育の雰囲気が注入されてきたということもある。

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★そして、なんといっても大きいのは、英語の授業にしてもICTを活用した授業にしても、そのベースになっている対話型PBL授業を熱心に研究してきた、そして今も研究している阿弥先生の存在だろう。

★阿弥先生は、世の中がアクティブラーニングだとか言い出す前から、GEMSの学びを授業に取り入れてきた。研修にも参加し、熱心に学んだ。GEMSとはGreat Explorations in Math and Scienceの略。ジェムズと呼ばれている。米国UCバークレー校の付属機関LHS(ローレンスホール科学教育研究所)で開発されている今でいうSTEAMプログラム。

★UCバークレーと言えば、シリコンバレーに影響を与える人材を輩出している超有名大学。最近シリコンバレーエリアにできたチャータースクールHTH(ハイテックハイスクール)というPBL授業とSTEAMで有名な学校も、当然GEMS的な学びの影響も受けている。

★だから、3年前に阿弥先生と出遭ったときは、話がはやかった。すぐに共振共鳴共感した(と思っているのは私だけかもしれないが)。私は、どちらかというと、スタンフォード大学とMITメディアラボとハーバード大学のいいとこどりしたPBL主義者だったし、今もそうだけれど、PBLの生みの親は、デューイやピアジェというった社会構成主義者。発想はすぐに共有できた。

★U理論を背景にしたスクライビングで具体的な授業をフローチャートという抽象的な絵を描きながら可視化する発想は、阿弥先生にとっては当たり前だったと思う。

★レゴを通して、ストーリーと創造物の「置換」を相互にするスキルやマインドマップなどの「概念化」スキルも、GEMSにも通底する手法だったから、実際の授業でどんどん活用していった。ユネスコスクールの活動も中心的に行っているが、そこでの活動もPBLは当たり前だろう。

★だから、アクティブラーニングとかPBLの国内の研修は山ほどあるが、ほとんど演者の自分の体験の発表の共有で、ノウハウの交換に終わっているものとは違い、世界的な視野を阿弥先生は身体化している。世界的な視野は、理論として学ぶことができるから、何もピータ・センゲのワークショップに参加しなくてもよいのだ。

★むしろ、本からきちんと学び、阿弥先生自身が、その学んだことに対照してモニタリングしていくことが大切である。機会があれば、第一人者のワークショップに参加すればよいけれど、阿弥先生のように探究して参加するのと、それまで何も学ばずに、まずは経験というコトでワーックショップに参加しても、たいていはおもしろかったとかモヤ感満載と生ぬるいことを言って帰ってくるのがオチだ。

★常に授業は子供に適合していなければならないし、教師の学びのスキルが向上するものでなければならないし、世界標準のモノサシに適合していなくてはならない。

★その三位一体を行うには、阿弥先生一人ではなかなかできない。なぜなら適合しているかどうかをモニタリングするには、他者のメタ認知としての視点が必要だからだ。だから<学習する組織>をつくってチームワークとシステム思考を充実していくことは大切だし、メタ認知としての視点を磨くのに、仲間一人一人が独自に自己マスタリーという自己陶冶することも欠かせない。

★こういう<学習する組織>ができたのは、やはり阿弥先生という自分を捨てて核になるインフルエンサーとしての存在が重要だった。そして、阿弥先生のような先を走っている教師は、たいていの場合、出る杭は打たれるというのが20世紀型教育の宿命なのだが、アサンプション国際は本来のカトリック学校がゆえに、タラントを大事にするマインドセットがはじめからあったのだろう。阿弥先生を応援する仲間が同校の先生方だったのである。それゆえ、<学習する組織>は巧まずしてできたという幸運の学校でもある。

★つまり、21世紀型教育は、組織も21世紀型でなければ成功しないということなのだ。

★それにしても、阿弥先生の4年生のプレゼンテーションの授業を拝見したが、井庭崇先生監修のプレゼンテーション・パターンランゲージのカードから、小学校4年生に適合するカードを選んで活用していた。これはとピンときたものは、すぐに取り入れて、そいのまま使うのではなく、子供に適合するように「調整」して活用するのが阿弥先生。

★この「調整」機能こそ、達人教師としての手腕である。

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