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2019年4月21日 (日)

未来を創る教育<02>2025年問題を乗り越えて生じる格差をどうするか キャリアデザインが破綻しないためにも

★21世紀型教育の理念は、ノーマン・ロックウェルのモザイク画とSDGsのロゴと限界費用ゼロ社会に象徴される。この背景には、哲学とSTEAM教育というリベラルアーツがある。一方で現実は2025年問題を通して迫りくる2030年~2040年のデストピア問題が横たわっている。

★したがって、理念と現実の対話的一致を繰り返すクリエイティブ・テンションを生みだし、そこが起爆剤となってイノベーションを起こすダイナミクスに期待するわけだ。それによって、前回述べたように「わたしたちの地球」の好循環をもたらす。

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★しかしながら、このようなことを行うリーダーシップは誰が発揮するかというと、AI社会は、産業革命から20世紀にかけての産業社会とは次元が異なるために、高度技術をもったAI市民が待望される。このAI市民のことをクリエイティブ・クラスという。従来の産業構造の言説の延長上で言うと、第4次産業の労働者ということになる。

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★このことについて、さりげなく静かに公開資料で世に表し、着々と進めているのが内閣府であり、その根っこは経産省である。表にあるようにクリエイティブ・クラスとは、表現してはいないが、従来にないクラスが存在し、今までのクラスが没落するカテゴリー表になっている。

★21世紀型教育は、すべての人が一人一人の才能を見出し、クリエイティブ・クラスになる学習モデルを構築しているが、すべての学校が行っているわけではない。したがって、実践しているところとそうでないところで、「クリエイティブクラス」格差が生じてしまう。

★すでに、高度人材は大量に不足しているが、逆にその不足しているところを生める人材がクリエイティブ・クラスになる。しかも法整備の結果、そのクリエイティブ・クラスに高度外国人材が参加するようになっている。

★このクラスの多様性は、考え方や価値観、文化背景の違いにより対話的テンションがイノベーションを生むことになるから歓迎なのであるが、21世紀型教育を行っていない学校を選択すると、クリエイティブ・クラスの存在のメカニズムが見えず、たんに年収の良い仕事と思うだけだろう。

★メカニズムが見えない場合、ソフトパワーを生み出す仕事も、ハードパワーを生み出す仕事も、創造的仕事として差異に気づかない。learning by creative thinkingとlearnning by makingの違いが判然としない。

★こうして根っこの部分の差異がわからないままスタイルだけアクティブラーニングやPBLになるから、結局ハードパーワーの新機軸イノベーションに流れていく。それでも、その領域でのイノベーションが起こることはわるくない。しかし、それが多くの場合天井になり、クリエイティブ・クラスの道は閉ざされる。

★創造的人材はたくさいるが、創造的クラスに入る人材は限られることになる。これが現状の「未来を創る教育」のリスクである。さて、ここをどうするかなのである。新しい「未来を創る教育」の創造。この道以外に他はあるまい。

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