21世紀型教育の意味(09)聖学院 授業デザイン研究会アップデート 学習する組織とU理論を統合 ②
★今年から聖学院の授業デザイン研究会の学習する組織の次元はアップデートした。これまでは、スーパーバイザーが児浦先生で、私がファシリテーターとしてかかわってきた。しかし、久しい間交流をしていただいた結果、私自身も聖学院の多くの先生方と阿吽の呼吸でワークショップができるようになってきたので、そろそろファシリテーターを先生方自身がやってみませんかと提案した。
★すると、二つ返事でシフトしようということになって。ファーストペンギンは数学科の波部先生。学校というのは、本当に忙しいから、波部先生と私が事前にリハーサルをするというこなどできない。そこで、ワークショップ本番のとときに、私がナビファシリテーターとして、陰に陽に波部先生と対話しながら、つきまといながら、なんかCMであるような感じで、というか鏡になるというのがよいかもしれないが、二人三脚で行うことにした。
★というわけで、スーパーバイザー児浦先生、ファシリテーター波部先生、ナビファシリテーターが本間で行うことになったのである。
(左から英語科主任の井上先生、ファシリテーター波部先生。今回スクライビングする授業のプレゼンは、井上先生)
★学習する組織のワークショップの最初は、ダイアードからはじめることにしている。波部先生は何度もいっしょに経験しているから、ダイアードの運営の仕方は自然にできる。つまり、こうなっているから、ファシリテーターとナビファシリテーターの対話が成り立つので、誰でもすぐにできるわけではない。
★だから、いきなりこの対話はうまくいくと確信した。波部先生は、そこからやはりやるのですかと問いかけてきた。できますよねと返すと、できますが、語るテーマやトピックはどうしますかと。このワークショップが成長する種になるのがよいかなといつも思って、決めていますと回答すると、波部先生は、あっといって、スクライビングのための授業の7分間プレゼンをする井上先生と対話し始めた。
★簡単に概要を聞いて、波部先生なりに肝を予想した。この対話型組織が聖学院のベースなのだ。
★そしてダイアードが始まった。ファシリテータは時間のデザイナーであり、空間のデザイナーであり、そのアフォーダンスの力をデザインしてマインドをメタデザインしていくコンピテンシーが必要である。波部先生はすぐに体得した。なぜそんなことが?それは普段の授業からPBL型の授業を展開しているから、すでにその素養は開発されているのである。だから、私はナビゲーターになればよいだけなのだ。
★テーマは、「物語」にしたようだ。生徒とどんな物語を紡いでいくかをダイアードした。私がやるダイアードは、いわゆる心理学的な研修のときにやるもではなく、色彩論のダイアード。互いの精神の色彩の対比を明らかにしつつ、調和の色がワークショップが終わったときにできあがっているかという精神の成長物語でもある。うまくいくときもあるし、失敗してしまうときもあるが、聖学院で失敗したことは一度もない。
★そして、実はファシリテーターの色付けも極めて重要だ。ファシリテーターはアートシンキングも大切というコトだが、波部先生をはじめ、聖学院の先生方は、担任をやりながら、授業を行いながら、生徒1人ひとりの自分色を大切にし、それらが混ざり合ってどんな色になって行くのか、軌道修正するのか、日々かかわっているから、アートシンキングは実はお手のものなのである。
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