21世紀型教育の意味(08)聖学院 授業デザイン研究会アップデート 学習する組織とU理論を統合 ①
★聖学院の先生方と授業デザインのアップデート方法を模索して10年が過ぎるだろうか。そのとき聖学院の教師ではなかったがステークホルダーの1人として児浦先生もかかわっていた。学習する組織とU理論をベースに研修を模索していた。
★ところが、そのときの若きメンバーが今は聖学院の基盤のリーダーとなり、児浦先生も聖学院の教師となってから、急激に聖学院の教育の質はアップデートしまっくっていたし、当初の「思考力入試」が、さらにパワフルになった。学内は創造的雰囲気、ワクワクする気持ち、自らの想いに深く深く歩んでいく空気に満たされるようになった。
★そして、今春その雰囲気が受験生やその保護者の共鳴共振共感を得て、多くの生徒が果敢に挑戦してきた。3つの思考力入試も応募者は100名を突破したし、思考力入試だけで30名の入学があった。特待入試も応募者が集まり、結果偏差値も3ポイント以上上昇した。
★今年は児浦先生は、21教育企画部長であると同時に広報部長(実は国際部長でもある)でもある。教育活動のラインナップをわかりやすく発信するだけではなく、思考力入試セミナーなど経験も大切にする広報活動を行い、教育活動の生徒と教師の内なる絆と信頼感が、いかに学びの意欲を生みだし、生徒一人一人が自分の才能を開示し、仲間と協力して、共に飛びたてるようになるかシェアする広報活動も行っていく。
★そのためには、教師や生徒がさらに一丸となることは重要である。児浦先生は、ステークホルダーを巻き込み風通しのよい学校組織を強化しているが、一方で内側から研修もできる人材を仲間同士が協力して形成できる学習する組織を創ることにも余念がない。
★ちょうど今年は、生徒も増え、団塊世代の教師も退職する時期にあたる。それゆえ、新しい教師をたくさん迎え、盛り上がっているこの時期に、きちんとビジョンを共有し、チームワークをパワフルにできる学習すす組織を創る仕掛けをしている。それに、学校が3ポリシーのゾーンが循環し、良質重力場を創っていくには、感性と知性の豊かな葡萄の木ができなくてはならない。この葡萄の木をシステム思考というが、これを活用するのは学習する組織の基盤でもある。
★聖学院の先生方は、互いにメンタルモデルを理解し、寛容にそれを尊重し合って、豊かな信頼関係をもともとつくる特徴がある。これはおそらく毎朝礼拝を教師も生徒も全員で行っているからだろう。また協力するパワーも強いが、一方で自分の道を追求する自己マスタリーも大事にしている。ウェル・ビーイングは、自己の道と仲間との支え合いがあって成り立つが、これが「学習する組織」の醍醐味である。
★もちろん、教師の学習する組織は、そのまま生徒にも感染する。聖学院全体が学習する組織として発展し、そのベースにシステム思考という知の葡萄の木が豊かに成長する。この学習する組織と知の森の好循環を教師も生徒も参加して創っていく学校に、自覚的になろう(メタ認知も豊かにしよう)というのが、児浦先生のビジョンであり、その戦略が教師の授業デザイン力というソフトパワーの強化なのだろう。
★今年の聖学院のリーダーのラインナップが同校ホームページで公開されている。なるほど創造的かつ戦略的リーダーの布陣ということのようだ。
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