【GW特集】工学院の新たな時代[02]デザイン思考 中学で浸透
★図書館司書であり、国語科教員であり、大学の講師でもある有山先生は、21世紀型メディアセンターとしての図書館空間を使ってデザイン思考を中学生全員と共有している。工学院の図書館が21世紀型というのは、電子書籍とファボラボスペースなどICTメディアミックスの拠点になっていることを意味する。
(デザイン思考的道徳の時間。思いやりという言葉の重みをデザイン思考の拡散と統合によって身体化する授業を展開。)
★この21世紀型図書館は、休み時間や放課後は、ファボラボスペースとして3Dプリンターでモノづくりをしたり、プログラミングなども行われている。総合の学習の時間ではデザイン思考そのものが行われたり、道徳の時間でも活用されている。理科をはじめとする一般の授業でも活用され、稼働率が高い。
★したがって、工学院の授業のコアモデルであるPBLが多様な展開をしているわけだが、それだけ、このような21世紀型授業が定着していることを象徴している場所が、工学院の図書館なのである。
★もっとも、今や1人1台のタブレット(中学)やラップトップ(高校)を持って活動しているから、図書館のコンセプトはキャンパス全体に浸透しているというのが凄いところなのである。
★中1の道徳の授業は、各クラスで行われるときもあるし、私が拝見した時のように、学年全体が図書館に集合して行うこともある。こういうクラス単位、学年単位、そして個人単位という自在な学びの空間を創ることができるというのが、工学院のカリキュラムゾーンの柔軟性の面目躍如だが、これができるのは、チーム単位で動けるPBL型授業がコモンコアモデアルになっているからである。
★実はPBLは、多人数であっても、少人数であっても、チームで活動するからまったくサイズによって質が劣化することがないというメリットがある。おまけに、教師も生徒もチームワークというマインドセットができるから、相乗効果は計り知れない。
★また、学年団には、外国人教師もたくさんいて、日本人教師と協力して教育活動を行っている。工学院が21世紀型教育を行っていることで、外国人教師にとっては、自分の教育の哲学とシンクロできる。互いに化学反応を起こすことができ、良い雰囲気を生成している。
★工学院の多くの先生方は海外に研修にいって、多く学んできているが、実はジョエル先生をはじめ多くの外国人教師の母国の教育の経験値を共有していけることこそ、実に得難い学びの機会となっている。英語科の教師だけではなく、教科横断的にチームを創って、そのような機会を促進しているのが教務主任田中歩先生である。
★グローバル教育とは、何も海外に出かけることだけではない。もちろん、工学院の留学先の多様性と参加人数の多さは群を抜いているが、ケンブリッジイングリッシュスクール(このリーダーは英語科主任の中川先生。中川先生の英語教育は卓越している)として、学内のグローバル化が浸透しているのが、工学院の大きな特色だろう。
★このような内外のグローバル化を融合しているグローバルイマージョンを広げていくには、英語はもちろんであるが、その前に対話力、ディスカッション力がベースの環境づくりが必須である。
★その環境づくりが、PBL型授業によって醸成されているのである。PBL型授業とは、教科の学習を超えて、教科横断的な学びも超えて、グローバルイマージョンにも有益なのである。
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