学びの組織を開発する先生方と共に≪05≫クリエイティブ・ラーニングと学校
★井庭崇先生(慶応義塾大学総合政策学部教授)編著の「クリエイティブ・ラーニング 創造社会の学びと教育」(慶応義塾大学出版会2019年2月)で語られている「クリエイティブ・ラーニング」は、必ずしも学校の範囲だけに収まるものではなく、むしろ学校を越境し、学校外部に広がっていく。
★だから、新しい学校のイメージが前提になっているのかもしれない。というのも、本書の通奏低音は、プロローグでいきなり始まるデューイの次の言葉にあるからだ。それは「教育者は他のどのような職業人よりも、遠い将来を見定めることにかかわっている」という言葉。
★現状の学校は、実際にはこうなっていない。もちろん、いまここという授業の中で遠い将来を見定めながら生徒と学びの活動をしている多くの先生もたしかに存在しているが、その学校は、少なくとも学びの組織や学校組織そのものを変容させている。
★遠い将来を見定めたとしても、学校の在り方によっては、そのビジョンを目の前の活動に結び付けられない。結びつけるには、学校そのものが変容しなければならない。
★もちろん、学校の変容が先か、教師の変容が先かというのは、どちらからでもよいが、いずれにしても、本書は学校や教師に変容を迫る書であることは確かである。ただし、強迫観念を押し付けるようなものではない。むしろキュートなイラストに導かれるからご安心を。644ページの圧巻の書であるが、どの章から読んでも、行きつ戻りつしながら読めるので、読みながらクリエイティブ・ラーニングもできる。
★現状の学校の中で、クリエイティブ・ラーニングを生かしていくことはいかにして可能か。つれづれなるままに知の旅に誘われていきたいと思っている。
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