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2019年3月27日 (水)

工学院 学習する組織のメカニズム実現の完成に目途(1)

★工学院は、プレ21世紀型教育改革をスタートしてからいよいよ6年目を迎える。6年前から始めたC1英語、PBL型授業、STEAM教育などは、21世紀型教育機構のアクレディテーションの高いハードルをクリアして土台はほぼ完成。

★その土台の上に、多様な留学、模擬国連、探究論文、デザイン思考、ファボラボなどの社会貢献活動が部活動以外にも構築された。ケンブリッジイングリッシュスクール、ラウンドスクエア、MoGというグローバルでハイクオリティなネットワークも拡充した。

★つまり、もはや21世紀型教育を目指すのではなく、それはすでにデフォルトとして当たり前になり、その上に独自かつグローバルな先進的教育が構築されている。

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(PBL型授業のメカニズムを学習する組織として循環させ、それを学内に拡充していく、小さく始めて大きく育てる手法で学内に学びのインパクトを生みだしている教務主任田中歩先生)

★多様な活動が行われているため、外から見ているとなかなか教育の肝が見えにくい。それゆえ、アドミッションゾーンの戦略が必ずしも当たっているとは、たしかに言えない。何せ、消費者というのは、選択肢が多すぎると決められないのだ。これとこれのどちらか選んで、大きく成長しますよという成功事例の二択くらいがあれば乗りやすい。

★しかし、本当は、パーソナライズな(個別最適化)学習が望まれている時代風潮からいって、工学院のような生徒一人一人に対応できる多様な才能を生かすプログラムがたくさんある方が教育の質は高いのは当たり前だ。ちょっと早すぎて、まだ受験市場がそのことの重要性に気づいていないだけであろう。

★ところが、そのカリキュラムイノベーションゾーンの充実は、ディプロマゾーンには絶大なインパクトを与え始めている。学習する組織とは、軍隊的なピラミッド型組織でないから、一見機動力が弱いように見える。しかし、大学入試というのは、知の力で立ち臨むものである。対話型学習する組織で、自らの道を切り拓くように育つ生徒が多数輩出されるようになれば、自ずと大学合格実績は出るものだ。

この信念は、今年ついに実現した。GMARCH以上が109人、工学院は附属だから88人合格している。それ以外に東京薬科大に12名、日大に10名、東洋大7名、芝浦工大10名など卒業生数を超える勢いである。上智の15名もすさまじいけれど、明治大16名、法政大学は30名と、十分な合格実績がでた。

★来年は、もちろんさらに実績は伸びる予定であるが、学内ではきっちり緒を締めるクリエイティブ・テンションの雰囲気がある。このような雰囲気があるからこそ、教務主任田中先生は平方校長と協力して、2年未満勤務の教師で、工学院の教師育成組織を結成した。来たるべき日本経済や政治の低迷に備えて、将来その難局を乗り越えられる生徒を育てている工学院がサバイバルしサスティナブルな良質教育を生み出していくには、最終的には良質な教師力が生まれる学習する組織を創る必要があるというのだ。

★すでに、田中先生を始め、工学院のリーダーの先生方は、一人一人の教師が学習する組織としてPBL型授業を展開していき、視野の広いそれでいて深い学びを行える生徒の成長をサポートできる環境づくりの学内メカニズムの構築に創意工夫をしてきたが、いよいよ画竜点睛を欠かない段階に入ってきたのである。

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