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2019年3月20日 (水)

かえつ有明 2020年度中学入学生から「別学から共学化へ」

★かえつ有明広報部長宇野先生によると「2020年度中学入学生より中高一貫6年間共学化へ移行」するということだ。2013年度から、中学では、学校は共学だが、授業は「別学」という男女別学教育を導入してきたが、2020年中学入学生から中高6年間共学を貫徹するということのようだ。

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★実は、2013年以前にも、かえつ有明は、一部別学を導入していた時があった。共学のクラス、男女別学のクラスという多様なクラス編成だった。その時代はアクティブラーニングなどは行っていなかったから、知識や理解の仕方の違いに対応するためだったようだ。

★実は、これは男女のナチュラルな違いというより、小学校や塾における社会的な男女の役割の違いに影響をうけていた可能性がある。

★ところが、かえつ有明がサイエンス科という独自のプログラムを作成した時に、学年が進むにつれ、その違いがむしろなくなっていくことが学内で起きたのであろう。共学にシフトした。

★しばらくして、つまり2013年には、思考力入試をはじめたために、論理的な思考ばかりか創造的な思考のプロセス、そして何よりモチベーションの燃えるタイミングなどの違いに気づき、それに対応するために再び別学クラスを導入した。

★しかし、3年前から中学のクラスはすべて、全教科アクティブラーニングを導入した結果、その違いが多様性として学びを豊かにすることに気づき始めたのであろう。むしろ共学にする方が、気づきや成長のシナジー効果が表れることが、学内で共有されたのであろう。

★来年からは、中1から中3までアクティブラーニングが完全浸透する。高校の方はプロジェクト科というクラスがすでにアクティvブラーニングを徹底しているし、20%はいるだろう帰国生も多様性は重要な学びの役割を果たす。

★大学入試改革も2024年から本格化し、来年から慶応SFCはAO入試の定員枠を大幅に増やしたり、一部4月入学9月入学を自由選択制にするが、多くの大学で、このような多様性、個別化が進む。この流れは毎年加速していく。

★すると、見えない壁や心の壁を自己開示して、多様な価値観や考え方、多様な感じ方などを尊重しながら自ら壁をぶち破り、新たなポジショニングや役割を意思決定していくことになる。

★学びの環境が異文化のみならず、歴史的社会構造的な違いの多様性を受け入れる感性と知性がますます大切になってくる。かえつ有明のクラス編成は、学校や教師、生徒が外部環境に開かれているからこそ、その変化に応じて最適化がその都度なされるわけだ。

★あなたは、自分の幼少期の写真と今の姿の写真をみて、変わったと思いませんか?でも私は私ですよね。このように、私は成長するけれど、だからといって、自分でなくなるわけではないのです。かえつ有明の変容も同じということではないだろうか。変容とは、柔軟でなければできないけれど、同時に、それは自分をしっかり見つめるメタ的な視点をもっているからこそできるともいえる。


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