PBLの肝はマインド思考×システム思考(06)名古屋大学の法学部小論文を学ぶ価値
★そういう意味では、名古屋大学を受けるかどうかにかかわりなく、今年の同大学の法学部の小論文は学ぶ価値があると思う。
★探究というのは、興味関心があるところから始めるのがモチベーションがあがるということらしいが、社会に対する無関心はこまったものである。無関心は愛の反対語だから。とはいえ、この問題を無理やり探究の材料にしようというのではない。
★この問題は、裁判官が、法を執行する役割を果たすのか、法創造をする役割を果たすのかというテーマを扱っている。筆者の藤田宇靖氏は、元最高裁判事だったので、その経験を回顧録にしているが、その本から素材文は抜粋編集されている。法学部志望者には興味と関心があるだろうが、そうでない場合は、関心がない場合もあろう。
★それでも、この問題は考えてみる価値があるのだ。成人になろうがなるまいが、今の社会に生まれついた私たちは、すでに既存の社会の中にいる。その社会の制度設計がどうなっているのか日常生活の中で関心を持つことは、まずない。
★それゆえ、社会への愛というマインド思考を働かすことは大切である。
★しかも、社会は、今や自然界との関係を外部化できない。人間の抑圧された心を外部化できない。自然界や科学的技術に興味関心があれば、それは自ずと社会や精神に結びつくはずだし、心理学など精神に興味と関心があれば、 それは自ずと自然や社会に結びつく。
★SDGsにおけるグローバルゴールズが設定されるのは、この自然と社会と精神の悪循環、無関心から生まれている障害や壁をなくそうということでもある。
★そして、リベラルアーツは、この自然と社会と精神の好循環や平衡を形作る知恵を育成することである。リベラルアーツの現代化とは、何を意味するのかというと、STEAMや哲学をやることが目的ではない。ただ、これが今のところ、自然と社会と精神の好循環を生める可能性の高い学習の場であるというコトなのだ。
★古代ギリシア時代から生まれたリベラルアーツも、奴隷制を土台として市民のみのリベラルアーツで、奴隷制は戦争が前提であるから、とても自然と社会と精神の包括的な循環などなかったわけだ。
★リベラルアーツは、しばらく階層構造の上位層の話で、そうでない層は関係ない世界だった。
★20世紀の大衆消費生活へのシフトは、ますます自然・社会・精神の循環などに対しては無関心だった。それゆえSDGsの問題が重要になってきたのである。しかし、それは、自然
★そして、リベラルアーツは、この自然と社会と精神の好循環や平衡を形作る知恵を育成することである。リベラルアーツの現代化とは、何を意味するのかというと、STEAMや哲学をやることが目的ではない。ただ、これが今のところ、自然と社会と精神の好循環を生める可能性の高い学習の場であるというコトなのだ。
★古代ギリシア時代から生まれたリベラルアーツも、奴隷制を土台として市民のみのリベラルアーツで、奴隷制は戦争が前提であるから、とても自然と社会と精神の包括的な循環などなかったわけだ。
★リベラルアーツは、しばらく階層構造の上位層の話で、そうでない層は関係ない世界だった。
★20世紀の大衆消費生活へのシフトは、ますます自然・社会・精神の循環などに対しては無関心だった。それゆえSDGsの問題が重要になってきたのである。しかし、それは、自然
・社会・精神の好循環システムはいかにしたら可能かという置換ができないと、またまた17の問題をバラバラに関心をもち、それでよいということになって、結果的に自然・社会・精神の好循環は背景に退いてしまう。
★それでは困るのだが、このそれでは困るかどうかと感じることが、マインド思考が働くかどうかを意味しているのである。困れば、解決するためにシステム思考が働くのである。
★さて、名古屋大の問題であるが、実は裁判官は、法を執行するか、法を創造をするのかという抽象的な議論は、関心がなくても、この小論文は、事例を使って、それを検証していく形になっている(学部に進んだら判例を読み込むケースメソッドが行われるが、それの入口にあたる)から、自分の関心のある裁判例を時事問題などで調べるきっかけになる。
★特許、いじめ、同性婚、差別、格差、条約、辺野古埋め立て。医療関係、介護関連・・・・などの多様な事件の中から関心のある事例を選択することができる。そこから、その問題を解決するいくつかの考え方を討論することによって、問題の本質に迫ることができる。
★最後は実は法感情に到達するだろう。というわけで、この問題は、小論文指導として行うときの良問というだけではなく、社会の制度設計を考えたり、世界の痛みをなくそうというSDGsについてさらに深くかかわったりする一つの視角を提供してくれる。
★どの領域で仕事をしようと、必ずそこでは様々なトラブルに遭遇する。そのときそれを解決する「法の支配」はいかに機能しているのか、あるいは「法の支配」が働かない制度設計の欠陥があった場合どうするのかなど、経験せざるを得ないだろう。
★なぜなら、自然・社会・精神が好循環を生み出す法の支配がいまだ徹底しないからである。時として、法の支配は人間の支配にすり替わっている時もあるし。
★この問題は、日常生活の中で見落としがちな制度設計の正当性・信頼性・妥当性を再構築する、つまり、自然・社会・精神の好循環をデザインし実践するマインド思考×システム思考を鍛える問いでもある。
★それでは困るのだが、このそれでは困るかどうかと感じることが、マインド思考が働くかどうかを意味しているのである。困れば、解決するためにシステム思考が働くのである。
★さて、名古屋大の問題であるが、実は裁判官は、法を執行するか、法を創造をするのかという抽象的な議論は、関心がなくても、この小論文は、事例を使って、それを検証していく形になっている(学部に進んだら判例を読み込むケースメソッドが行われるが、それの入口にあたる)から、自分の関心のある裁判例を時事問題などで調べるきっかけになる。
★特許、いじめ、同性婚、差別、格差、条約、辺野古埋め立て。医療関係、介護関連・・・・などの多様な事件の中から関心のある事例を選択することができる。そこから、その問題を解決するいくつかの考え方を討論することによって、問題の本質に迫ることができる。
★最後は実は法感情に到達するだろう。というわけで、この問題は、小論文指導として行うときの良問というだけではなく、社会の制度設計を考えたり、世界の痛みをなくそうというSDGsについてさらに深くかかわったりする一つの視角を提供してくれる。
★どの領域で仕事をしようと、必ずそこでは様々なトラブルに遭遇する。そのときそれを解決する「法の支配」はいかに機能しているのか、あるいは「法の支配」が働かない制度設計の欠陥があった場合どうするのかなど、経験せざるを得ないだろう。
★なぜなら、自然・社会・精神が好循環を生み出す法の支配がいまだ徹底しないからである。時として、法の支配は人間の支配にすり替わっている時もあるし。
★この問題は、日常生活の中で見落としがちな制度設計の正当性・信頼性・妥当性を再構築する、つまり、自然・社会・精神の好循環をデザインし実践するマインド思考×システム思考を鍛える問いでもある。
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