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2019年3月 7日 (木)

PBLの肝はマインド思考×システム思考(05)東京大学の地理のメッシュマップ問題の2つの意義。

★今年の東大の地理のメッシュマップの問題は、PBL型授業をデザインするときの問いかけとしてはなかなかよき素材。

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★問題を解くことは自体は、たぶん小学生でもできる。メッシュマップとは何かについて仮に知らなくても、問題文の中で説明されているから、知識として記憶しておく必要はない。

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★仮に知らなくてもと述べたのは、最近メッシュマップに触れる機会は多いだろうから、日常的な知識としてすでに持っている場合が多いからだ。ゲリラ豪雨を見える化するときに天気予報でもつかっているし、人口動態を表現する時にも使われている。

★そういう意味では、新傾向という問題ではないが、ICT時代の表現という意味では、時代のツールではある。

★しかし、それよりも、リアル→地図→クロスデータ化→想像力→クロスデータ同士の関係分析という思考の置換の連続を脳内で操作するところがこの問題がシステム思考を鍛える問いだし、この操作の長大なシークエンスをたどり続けるタフなマインド思考も鍛える問いかけである。

★リアル→地図→クロスデータ化→想像力あたりはアート思考が動員されるし、クロスデータ同士の分析で数学的思考が動員される。

★もし、地形と人口の関係以外に、人々の生活にどんな関係があるのかを分析するには、どういうメッシュマップが必要か考えるとなると、物語思考も必要となる。

★かくして、データ→図→言語といった置換スキルと数学的思考、物語思考、アート思考がトータルに関係しあうマインド思考×システム思考を鍛える問いかけなのだが、逆に子供たちと、この問いはどんな思考のシステムを必要とするか分析するメタ認知化も可能だというコトだ。

★つまり、PBL型授業のトリガークエスチョンとしても有益だし、思考のメカニズムをメタ認知化するリフレクションクエスチョンとしても活用できるだろう。

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