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2019年3月 1日 (金)

2020年首都圏中学入試の学校選択(06)香里ヌヴェール学院の場合

★香里ヌヴェール学院の社会科の授業をリサーチしていて感じるのは、マインド思考×システム思考の育成が土壌になっているというコトである。ピーター・センゲは、この両方がループでつながっているから、両方の意味を含意してシステム思考と言っているが、センゲ自身が語っているようにマインド思考を含んでいないと誤解されたり、それゆえ冷たいと揶揄されたりもするので、内包表現から外延的な表現にあえてしている。

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★さて、香里ヌヴェール学院のように、教師が、マインド思考×システム思考の持ち主で、従来の講義形式を行っているだけでは、生徒1人ひとり全員が、この思考を実装できるとは限らない。

★もちろん、できる生徒もいる。しかし、そういう生徒は出来る生徒で、そうでない生徒は出来ない生徒という格差ができてきたわけである。

★そこで、香里ヌヴェール学院では、PBL100%宣言をして、マインド思考×システム思考を生徒1人ひとりが実装できるようにシフトした。

★もともと潜在的に学校文化としてあるから、それを若手教師が中心となって、PBL型授業の研究を自然発生的にシナリオプランニング演出をしてアクセルを踏んで、進めている。

★それは、各教科のミーティングでも起こっていると主幹の龍美先生は語る。デビッド・ボーム的な対話、センゲ的に置き換えると、システム思考が、教師間に生まれている。促進と拡充のインパクト♪

★そして、このマインド思考×システム思考をデフォルト(当たり前のルーチンシステム)としたうえで、Social Changersとコラボしながら、PBL型授業―イマージョン―ヌヴェール科という3つの領域の越境的循環が香里ヌヴェール学院の独自の学習する組織を形成している。ICTは、どの領域にも必要なアイテムとなっている。

★この潜在的の文化資本や教育の質とマインド思考×システム思考と独自性の循環が、若手チームのPBL=Passion×Project based Learning)研究とSocial Changersネットワークが媒介することによって生まれている。

★潜在的ゾーンも無限にあるし、マインド思考×システム思考ゾーンも、社会の問題が無限であるからそのループの複雑系も無限に増殖する。独自性のアップデートも、Social Chanegersも無限であるから、今後も期待できる。

★ところで、このSocial Changersであるが、もちろん社会を善くしたいというメンバーで、学者、起業家、社会慈善家、外国人教師チームなど多様な人々と連携している。ある意味石川一郎学院長もその一人である。ただ、今のところ「善く」というレベルは、リバタリアンだったり、リベラリストだったり、石川先生のように最高善(man for others)主義者だったり、――コンサバな人はいない――多様性を維持しているが、そのマネジメントを間違えるとたいへんなことになる。


★生徒募集と大学合格実績のパフォーマンスに影響がでるわけだ。

★だから、そこは校長の腕の見せ所である。ワクワク、そしてスリリングな香里ヌヴェール学院。イノベーティブスクールの組織成長はこのような局面を乗り越えざるを得ない。時代が変化していると思われる方も多いだろうが、実はその変化は、香里ヌヴェール学院のような具体的な変容態があちらこちらで生まれていて、それらが合力として自然発生的(
本来的な市場の原理)に大きな変化の波を生み出しているからなのだ。

★なんて量子力学的なんだろう。アダム・スミス、ベンサム、ヘーゲルなどは、疾風怒濤の時代を潜り抜けながら、それを哲学的に見抜いていたなんて。

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