【2019年大学合格実績05】都立中高一貫校の東大合格恒常化の意味
★都立中高一貫校は適性検査で中学からの入学者を選抜する。このテストは、知識を問う問題は皆無。つまりA軸思考(記憶思考)を問う問題は出題しない。すべて論理的思考の適性を問う問題ばかりだ。つまり、B軸思考。
★私立中高一貫校でいえば、新タイプ入試(私学の場合はC軸思考まで問うところもあるが)がこれにあたる。都立中高一貫校の適性検査と大学合格実績が相関があるかどうかは情報が不足しているため、私には証明できないが、少なくとも中学受験市場で、未だに色濃く残っている次のような言説は空虚であることがわかる。つまり、新タイプ入試をやっているようでは、大学合格実績は出ないとか、東大に合格するような生徒ははいってこないという言説はまったくの幻想であることが。
★このことに気づいた、私立学校はますます新タイプ入試を増やしていくことだろう。まして、今年は多くの私立学校で海外大学に進む生徒がでると聞き及んでいる。
★今年の東大合格者数を見ていると、開成、麻布、聖光、渋谷教育学園幕張がさらに実績を出している。灘、桜蔭などの常連校もあるが、集中の範囲が狭くなっている。つまり、東大合格者を輩出している学校が拡散している可能性がある。
★来週のサンデー毎日を見るまでわからないが、東大合格も広く多くの学校に拡散し、海外大学も同じような傾向になりはじめる変わり目が2019年の大学合格の在り方になるかもしれない。これはやはり、A軸思考から少なくともB軸思考への大きなシフトがどの学校でも起こっているかだろう。
★都立中高一貫校が恒常的に東大合格実績をだしていく傾向は、全国の公立中高一貫校にも広がるだろう。それは、やはり公立中高一貫校は、同構造をもった学びの組織だからである。
★そうなってくると学校選択の指標はもはや大学合格実績以外の新たな指標にシフトせざるを得ない状況になるはずだ。
★東大に是が非でも行きたいと思えば、少なくとも30名は合格している学校を選びたくなるだろうが、そんな学校は20校ぐらいしかない。この20校に入らなければ、人生がうまくいかないということは全くないのは明らかだ。
★5000人くらいは、東大合格実績が気になるだろうが、それ以外の受験生は、もはやそこで学校を選ぶことはない。そして、その新しい指標で選択した学校に入学して、やはり東大を受けようと思ったとき、受ければ入る可能性だって、今まで以上に高くなるだろう。
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