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2019年2月23日 (土)

静岡聖光学院の変容ぶりの凄まじさ。(2)

★静岡聖光学院の教師チームは、ビジョン共有、チームワーク、マインド思考×システム思考、互いのメンタルモデルの尊重、自己陶冶という学習する組織(ピーター・センゲ教授)を豊かにしている。しかもそのスピードが速い。

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★放課後の放課後。つまり生徒たちの放課後の自由な学びの活動の後、有志の先生方が集って、PBL授業研究をしている。1人の教師が、自分の実践した授業のストーリーを語る。同時に同僚の1人がスクライビングをする。同時通訳というか同時転写。


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★ただし、できるだけフローチャート化して、授業のストーリを語っている先生の話が終了した後、すぐに再現する。この「再現」というのは、この授業研究では何度も出てくる。「再現」はちょっとずつズレるので、そのたびに修正したりあるいはそれが気づきになったりする。

★「再現」→「再構築」→「脱構築」→「イノベーション」というトルネードが起きる。この授業研究では、アクセラレーション(加速的促進)とエンリッチメント(拡充)という対位法的なテンポによって発想が生まれる仕掛けになっているが、今回は珍しく、アクセラレーションのテンポが多かった。それだけ、先生方が前のめりに参加していたということだろう。


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★「再現」されたフローチャートを、各チームで問いとそれに反応する生徒の学びのスタイルのシークエンスにさらに変換していく。すると、あらかじめ教師が用意していた問いと生徒との問答や生徒同士のディスカッションの中で生まれてきた疑問をキャッチしてアドリブで発した問いとのせめぎ合いの軌跡が見えてくる。

★そのうえで、思考コード分析をして、静岡聖光学院のPBLの肝と思考コードとの関係をチームでまとめてプレzンし合う。


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★今回は、中1の地理というコトもあって、思考コード分析で、C軸思考の大切さに気づくも、C3の問いは投じられていないことにも気づいた。そこで、各チームで、隣のミニ博物館に展示してある「化石」と結びつけてC3の問いを創出してみようというところにまで至った。

★5チームがすべて違う問いを生み出したわけであるが、その問いをさらに分析すると、C3の問いの作り方には、あるリベラルアーツ的な発想が関係していることに気づいた。PBLの中に、対話やディスカッションが含まれるわけであるから、考えてみればリベラルアーツが現代化されて生きているということだろう。


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★ジョブスが、アップルはテクノロジーの会社ではなく、テクノロジーとリベラルアーツの交差点に立っているカンパニーだと語ったと記憶しているが、静岡聖光学院も、大学進学の目の前の学びともっと大きな問題に挑戦する研究的構えを育成する学びの合力が建学当初からのビジョンである。そのビジョンが今も生き生きしている。伝統と革新の平衡。

★奇しくもそのことが改めて証明される授業研究会となった。

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