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2019年2月 5日 (火)

聖学院の優しさと強さ~聖学院と麻布と武蔵と栄光と

★昨日、聖学院の中学入試は終わった。総応募者数前年対比109%(2019年2月4日現在:首都圏模試センター調べ)。毎年前年を上回る上昇気流が巻き起こっている。

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(聖学院フューチャーセンターで難関思考力入試は行われた。最初情報が動画で提供された。写真は同校サイトから)

★その人気の理由の一つは、認知多様性を見極め、生徒ぞれぞれのものの見方考え方を尊重するところから学びを始められる安心安全な心理的状態をケアするマインドフルネスな教師や仲間との対話があるからである。

★今年の聖学院の難関思考力入試の様子が、同校サイトですでに報告されているが、それによると東京オリンピック・パラリンピックで行われるスポーツが世界問題をいかに解決するかという素晴らしい問題だったが、実は麻布の今年の社会の問題とダイレクトに通底していた。

★今年の武蔵の社会の問題は、インバウンドに関する問題であったが、世界の問題を深く自分事としてとらえる聖学院のグローバルな視野は、武蔵の問題とも通底していた。

★栄光の今年の社会の問題は「石炭」を巡る地理や政治経済、そして環境などにかかわる学際的な問題で、テキスト、グラフ、表などを分析しながら考える問題だった。これは聖学院のものづくり思考力入試やM型思考力入試ともシンクロしていた。とくに思考力セミナーで行われたコンクリート、木材、鋼鉄という素材をめぐる学際的視角を活用する学びは、素材こそ違ったが、メタ認知レベルで完全に栄光の問題と通じていた。

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(聖学院の21教育企画部長児浦先生は、学内の教師の授業デザイン研修のリーダーであり、自らの数学授業でもPBL=Project based Learningを展開。多くの他校の教師や教育業界の重鎮とのネットワークをもち、生徒の学びについないでいる教育イノベーションリーダー。)

★入試問題は学校の顔である。したがって、聖学院と麻布と武蔵と栄光の思考力型入試問題の親和性は、そのままカリキュラム、つまり教育内容にも通じているのである。

★ただ、決定的な違いは、聖学院の受験生がストレートに麻布や武蔵、栄光のその問題をいきなり解くとなかなか突破できないかもしれないのに、聖学院の思考力入試のように生徒一人ひとりのものの見方考え方から寄り添って多様な道具を使って考えられるマインドセットをするとできてしまうのである。


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★中学受験段階で、偏差値的にはとどかなかった麻布や武蔵、栄光かもしれないが、入学後は、追いつてしまうし、中高生ですでにグローバルな活躍をするという点ではもっと大きく成長するかもしれない。

★要するに、その教育内容の豊かさは引けを取らないし、爆発的成長度という点では教育の質は麻布や武蔵、栄光は比ではないかもしれないのだ。

★聖学院は2013年から思考力入試を開始し、毎年アップデートしてきた。21教育企画部長児浦先生によると、2020年度思考力入試も、はやくも次のアイデアがあり、実施に向けて飛び回っているという。

★この思考力入試誕生秘話としては、2010年から聖学院は思考力を深めていく授業共同体としていかに改革していくかを学内一体となって取り組んでいた。各教科ごとにワークショップ型の研修を月一回実施。素材は、東大、一橋大、麻布、武蔵、栄光、IB、SATなどの入試問題の分析をして、その分析に照合しながらカリキュラムや授業をリフレクション。いかに建学の精神を反映できるのかも考慮しながら、具体的な思考力育成プログラムのデザインへ挑んだのだった。

★そのとき、児浦先生は、まだ聖学院の教師ではなく、日本最大手の教育関連企業で、新しい学びのデザインを創るべく、日本全国の優れた教師とコラボレーションしていた。その中に東大や栄光の先生方もいた。

★そして、今日児浦先生は聖学院の教師として久しいが、そのネットワークはさらに広く深くなり、聖学院の知の資産として寄与している。

★2010年頃から始まったこのような聖学院の先生方の活動は、今や先鋭化し、児浦先生が中心となって学習する組織として自生自走している。

★かえつ有明の佐野先生や金井先生(今は東大大学院で研究していて聖学院のサポートもしている)との連携も続いていて、両校の躍進は、学びの質の共鳴共振共感の響きを共に奏でているというコトにも関係しているのかもしれない。

★児浦先生は、今まで積み上げてきた聖学院の文化資本にさらに新しいネットワークを結び付けて、新たなケミストリーを起こすべく動いているとのことである。聖学院のさらなる飛躍に期待したい。

★2月17日(日)、「新中学セミナー」で、児浦先生はそのアクティブビジョンを語る。本邦初。お見逃しなく。

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