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2019年2月21日 (木)

【2020年度首都圏中学入試動向の切り口_10】 中学入試市場のプラットフォーム多様化へ⑥

★中学受験市場は、高校入試に比べ、相対的に自由市場である。それは大学入試市場に比較してもより自由市場である。大学は、かなり文科省の介在がある。それに比べて私立中高は、比較的自由である。

★この前提を考えずに、欧米の公立学校や私立学校の教育をそのままパッケージとして持ち込むことはできないはずであるが、かなり強引に(というコトに気づかないで)導入する行為が存在する。

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★教育は世界と密接につながっているから、そのつながりを読み解くには、マーケティングの視点、社会学の視点、哲学の視点、学びの視点などが必要だ。政治経済は、すでに世界に内包されている。

★世界は、生活世界として政治経済社会なのか、産業世界として政治経済社会なのか、権力関係世界として政治経済社会なのかによって、教育のデザインは変わる。

★いずれにしても、教科横断型というとき、このような多角的な視点を持ちえない限り、テーマ別パッチワークのことを教科横断型というしかなく、おそらく多くの学校が「総合的な探究の時間」が、この枠を脱することができず、従来の教科授業が相変わらず優先順位として高くなってしまうだろう。

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★この点に関して言及していたのが、工学院教務主任田中歩先生と三田国際教頭の田中潤先生である。

★三田国際の田中潤先生は、マーケティングと社会学、学びの視点を得意とする。それゆえ、マーケティングを組織論的に再構築し、学びの最適化を生み出す組織的システム論の話をされていた。しかし、社会学的視点を有しているので、近代の再帰性による革新と新たなリスク発生の予防をリフレクシブに精緻に組み立てる話をした。

★トークセッションがゆえに、具体的な話にまでいたる時間はなかったが。

★一方、工学院の田中歩先生は、最先端の英語の教師であり、心理学と学びの視点、および哲学の視点を思考コードに埋め込み、組織論というより、授業に内在するコミュニケーション行為論として生徒の成長を生み出す内蔵的あるいは内生的リフレクシブなシステム授業デザインの話をされた。

★トークセッションは、わかりやすい話になるし、そう聞こえるのだが、その内実はかなり深い話だったのである。

★この組織的システム論と内生的システム授業デザインの両方を生徒に可視化しているのが、聖学院の思考力入試。同校の21教育企画部長の児浦先生のトークがそれだった。

★21世紀型教育機構の加盟校は、共通教育システムを標準搭載しながら、それぞれ独自の創意工夫というイノベーションを実装している。もちろん、その創意工夫は学習者(生徒も教師も)中心主義であり、学歴中心主義ではない。

★しかしながら、私立学校を取り巻く環境において、富裕層マーケティングを無視できないところに、再帰的近代化の力学がダイレクトに作動してしまう。そのリスクをどのように回避し、危機を防いでいくのか、あるいは、再帰的近代化理論を超えるのか、世の中が思っている以上に教師力の重要性に光が当たった気づきのセミナーとなったと感じている。

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