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2019年2月13日 (水)

【2020年度首都圏中学入試動向の切り口_03】変化を受け入れるが行動しないタイプと行動するタイプ。

★昨日12日(火)、聖学院フューチャーセンターで、この時期恒例の「入試総括コラボミーティング」が開催された。模擬試験講演者、教育ジャーナリスト、編集者、出版社、Web関連企業など中学入試にかかわる多様な人々が30名強集まった。

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★それぞれの立場から見た2019年中学入試の動向。これだけの多角的な見方が共有される場はそうあるものではない。

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(最後は、聖学院から、3つの思考力入試の実施の様子やシステム、受験生の成長などについてその手ごたえが熱く語られた。演者の児浦先生は、2月17日の真中学入試セミナーでも語る。)

★今年の共通した見方は、どこかの学校に一極集中的に集まったといわけでもなく、伝統的なことが重視されて応募者が集まったということも新しい教育だからといって応募者が集まったということでもないということだった。

★受験生の保護者も、変化を感じ受け入れはしたものの全面的に進歩主義的学校選択という行動にでられなかったタイプと行動に出られたタイプに分かれた。

★そういう意味では、学校選択はしっかり教育の中身や充実度の情報を収集して、自分の子供にとっていまここで最適な教育環境なのはどこかと判断するようになったのかもしれない。学校選択の成熟化というわけだろう。

★そして、この2つのタイプの間で迷ったり不安にかられた保護者は、どうしても安心安全を優先し、リスクを回避するから、結果的に偏差値的に中堅以上の学校を選び、厳しい受験になった。

★中堅以上の学校は歩留まりを予想して多めに合格者を出すから、4000人増えたとしても、その受験生は、中堅以上の学校に吸収される。

★それは、まるで経済成長しているが、富裕層ばかりが恩恵を浴するシステムに似ている。しかし、市場というものはそういうものである。期待と希望と安心安全のすべてを実感できるあたりで消費行動が生まれる。

★しかし、大学入試が変わらなければ中高の教育も変わらないと嘯いてはいられないことも、大学通信の情報からわかってきた。大きな変化にはなっていないものの小さな変化は生まれていることも一方で確かなのである。

★インターネット出願も、首都圏の中学入試の75%で行われている。麻布も開成も当然行っているわけで、当然この動きは、マーケティングデータとして学内の情報分析を変えざるを得ないトロイの木馬になるわけだろうし。

★帰国生入試の学内を変化させるダイナミクスについても語られた。

★学びの個人最適化の動きも語られた。思考コードが今後広まるとしたら、ますますその傾向に拍車がかかるだろう。

★これらの現象は、具体的すぎて大きな受験人口の塊の話ではまだない。しかし、このこと自体が変化の重要な兆しなのかもしれない。入試応募の動きも、マクロでとらえるばかりではなく、受験生一人ひとりの学校選択行動、学習行動を分析するようになるのだろう。

★最後に聖学院の21教育企画部長児浦先生から今年実施した3つの「思考力入試」の実態について語られた。100人の受験生がいて、そのうち30名は入学するという。受験人口の48,000人の話とこの30名の話は、しかし両立するのである。

★この30名が意味する新しい旋律が通奏低音となって首都圏中学入試に響き始めているのも事実である。同じ48,000人でも、受験生の質の変化が起きているのである。

★この質の変化が1つひとつはまだ小さな動きだが、それが結合した時、大きな変化として現れる。2019年中学入試は、その変化を静かに待つ動きだったかもしれない。

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