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2019年2月27日 (水)

2020年首都圏中学入試の学校選択(05)聖ドミニコ学園の場合

★今年の聖ドミニコ学園は、21世紀型教育改革を開始する新しい年を迎えた。応募者総数は伸びなかったものの、附属小学校からの期待をゲットできたし、新しいコースのインターナショナルコースも出発できる。本気の改革がゆえに、応募する側が相当構えたので、敬遠されたわけだが、逆に応募受験生はきちんと構えて準備をしてきた。

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★リベラルアーツやPBL、哲学がある意味トレンドになっているが、その源である西洋の哲学の巨星の一角がドミニコ修道会。大学のルーツも、ディベートのマニュアルもドミニコ会が作成した。

★もちろん、プラトンやアリストテレスのキリスト教的換骨奪胎であるが、かつて司馬遼太郎が、ヨーロッパには、だれもがすでに忘れてしまっているが、今もトマス・アクイナスの哲学は充満しているというような趣旨を語ったことがある。

★ヨーロッパの人々でも忘れているぐらいだから、聖ドミニコ学園もその潜在的な深層の奥に眠っているだろう。しかし、「対話」を大切にするというところに、その顕在化の契機がある。

★インターナショナルコースでは英語で哲学を行うだろうから、当然トマス・アクイナス的な素養が顕在化されるだろう。トマス・アクイナスは、もちろんドミニコ会士である。

★神とは何であるかと問うことはできない。それは人間的なフィルターがかかってしまうからだというのだ。だから何ではないかと問う他ないと。

★この考え方には、カント以前にあって、カントを超える発想がある。最近のフランスやドイツの若手哲学者の考え方にも通じていると思う。

★もちろん、トマス・アクイナスはそんなことは知る由もない。ただ、当時アリストテレスの書は発禁書であったにもかかわらず、真理は真理だとアリストテレスを読みまくった。もちろん、世の権力者たちに裁かれるのだが、そんなのは関係ないのである。

★シュンペーターは、トマス・アクイナスこそ、アリストテレスの交換の経済と配分の経済を都市経済に持ち込み、13世紀でありながら、資本主義の萌芽を構築したと語る。

★マックス・ウェーバーも資本主義の萌芽は中世修道会に生まれ、プロテスタンティズムがそれを世俗化したという。

★このドミニコ会の悠久の歴史を生き抜いている文化遺伝子を再び開花する動きが、学内で起きている。もちろん、トマス・アクイナスの神学大全を読む教師などいるはずがない。

★しかし、真理は真理なのである。

★ともあれ、インターナショナルコースは、今年スタート段階で、学年の10%強だ。13%を超えたところで、マーケティング的には爆発的にその影響は広まる。

★すでに、海外大学(世界大学ランキング100位以内)も毎年進学している。それが10倍になるというお話なのだ。

★もし、20%になったなら、20倍になる。今はそんなことは誰も知らない。知っているのはヨーロッパの人々だ。日本人はドミニコ会って?何がリベラルアーツなのだ。ローマのパパ様のコスチュームの半分はドミニコ会士、もうお半分はイエズス会士のものだ。

★私がこういうことを書くので、同校の先生方や関係者に、ウザいとか、おせっかいだとか言われるのだが、私のような年寄りの期待と妄想は、聖ドミニコ学園が本物ブランド校になってくれることなのだ。それが日本の教育を救うことになるだろう。

★かつて托鉢修道会が、精神の国を再構築したように!

★やはり、ウザイかあ^^);それでも期待している。

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