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2019年2月25日 (月)

2020年首都圏中学入試の学校選択(02)続概要

★2019年中学入試では、学校の組織の在り方の多様性が開花した。前回は6タイプを描いてみたが、現実はタイプどうしの融合があるし、その融合の度合いがまたグラデーションになっているので、現実の現象だけ追っていると、結局スコア化して比較するしかなくなる。

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★この「スコア化」、つまり「測る化」は、意思決定の時の重要なデータであるから、それだけをとって悪玉論は早計である。

★「測る化」の次には、そのスコアの意味を解釈することになる。この手法もまたいろいろある――演繹法、帰納法、弁証法、ヘルメノイティーク、ケースメソッド・・・・――が、いずれにしても「意味化」は必要である。

★そして、この「意味化」をするときに、事例からとりあえずの基礎構造に立ち還る「抽象化」も必要である。その時ようやく図式なり、アイコンなり、方程式なりの「見える化」ができる。

★というわけで、現象事例の集合を「測る化」「意味化」「抽象化」「見える化」していくシステム思考、そしてそれによって何らかの意思決定をするマインド思考が、生まれてくるわけである。システム思考とマインド思考をピータ・センゲは分けてはいないが、自らシステム思考は冷たい思考だとか合理的思考だとか勘違いされるときが多いと言っているぐらいなので、さしあたり両方を分けて掛け算するぐらいにとらえておいたほうがわかりやすいだろう。

★そんなわけで、上記のように多様な学校組織の在り方の基礎構造を6つのタイプから抽象化したわけである。

★理事会とか校務分掌という法的組織構造とカリキュラムマネージメント組織という学習指導要領による準法的組織構造などの制度的組織は、今回はあえて取り込まなかった。

★この制度的組織が、学校の組織の存在をいかに決定していくのか、その在り方の基礎構造にアプローチする。制度的組織の変容は国家や自治体がからみ、そこを考察していてもなにもみえてこないからである。もちろん、制度的組織のチェックも必要だろうが、それは私の考察範疇外である。

★一市民である私ができることは、いまここで既存の制度的組織の中で、どこまで教育の創造的破壊ができるのかということである。もし、それが思う存分できなければ、その既存の制度設計を変えるように動きだすだろうが、現状の私立中高の与えられた自由度の高い制度設計の中で、この部分をチェックする優先順位は第一位ではない。

★というわけで、「在り方」の基礎構造を構成する要素は、大きく2種類にわけて考えていきたい。

質生成要素・・・「独自性」「マインド思考×システム思考」「潜在的教育の質」
関係生成要素・・・「循環」「世界ネットワーク」「コンバージョン機能」

★こんな感じで、2つの生成要素とそれぞれに3つの役割要素を割り当て、その化学反応で学校の組織の在り方のパワーが決まってくると仮定する。

★従来、学校選択者は、そのパワーを偏差値や大学進学実績のスコアという「測る化」によって意思決定してきたし、多くの学校も自分の学校のパワーを偏差値や大学進学実績の「測る化」によってブラッシュアップしてきた。

★しかし、その「測る化」方法では、時代の要請する能力を生み出すパワーを生み出しているかどうかわからなくなってきた。

★それゆえ、学校選択者も学校側も、時代の要請にマッチングできる「測る化」を模索するようになってきているというのがイマココデの話である。

★しかしながら、このような質的変容の時代にあって、従来の「測る化」で順調にいっている学校選択者や学校当局は、その変容に気づかない。いや気づきたくない。このことが明日の子供たちの社会をつくる制度設計をアップデートできないリスクへとつながる。リスクが危機へと転化してしまっては、時すでに遅しということになる。

★それは何とか回避したいではないか。

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