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2019年2月 9日 (土)

【2019年度首都圏中学入試(50)】 中学受験市場のダイナミズム

★前回首都圏の中学受験市場が、34年前から大衆化して以来、転換点が2回あるのではないかということについて述べた。2011年と2021年がそれだ。表にまとめてみた。

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★中学受験市場の質は変化し、2021年からはバージョン3.0になろうとしている。2019年、20年はその準備期間となる。

★この流れは、時代の流れで止めることはできない。社会構成主義的な視点から見れば、政治、経済、イノベーションの流れなどの多様な領域と関係して生まれくる生産者と消費者の概念の変化がトータルな塊となって動いている。

★ところが、幾つかある中学受験シンクタンクや幾つかの学校広報では、まだバージョン1.0のままで、変化を認めず、揶揄し続けている。それが結構声が大きいからちょっと厄介なのだが、変化に気づかないままでいる言説に影響を受ける一部の受験生・保護者はタイタニック号に乗船しているようなものである。

★教育危機とは、社会全体の危機というより、変化を見ようとしない層の話である。変化に対応する層は、サバイブできるだろうからよいが、できれば気づいていない方々にも気づいて欲しいではないか。

★ただでさえ、国力減退は目に見えている日本である。それぞれが気づき自己変容する人が多ければ多いほど、そのシナジー効果は、大きくなる。もちろん、大同団結などしなくてよい。社会的イノベーションのインフラによって意識しなくても関係づけられる。残念ながら見えざる手が働く。

★しかし、この見えざる手は必ずしも神の手ではない。いや神は気づいた人間のみを救うから同じことか。

★時代は自律分散統合系のダイナミズムで社会を変えていく。そしてその主体は、時のリーダーではなく、気づいて日々自己変容している人々の対話によるケミストリーが生み出す関係そのものである。もちろん、リーダーはその関係をつくる参加者の1人ではあるし、その感覚が大事だ。

★その関係を創る側に参加するのか、参加しないのか。参加者が多ければ多いほど社会のシナジー効果は増幅する。

★だから気づいて欲しいと警鐘を鳴らしているのであって、煽っているのではない。

★もっとも、変わりたくないという頑迷固陋なバージョン1.0の人にとっては煽っているように感じるのだろうなあ。

★そして、参加する場合、関係それ自体を大切にするのではなく、自分がどうのこうのと言いまくっている人は、シナジー効果をマイナスにする。バージョン1.0より厄介なのは、このグループであるが、違うバージョンどうしの拮抗と同じバージョン内の葛藤という多様なせめぎ合いが、最適平衡をその都度つくって、社会は成長していく。ある意味、無慈悲である。

★自分のポジショニングをどこに設定するか?キャリアデザインの根っこはここにある。進路先は、その根っこの足場の仮設場に過ぎないかもしれない。世にいうブランド地点に立ったとしても、そこに自分のポジショニング=存在意義がない場合もあるし、その逆もある。

★その都度遭遇したところで、柔軟にそしてタフイネスで挑む必要がいずれにしてもある。中学受験生はすでにそのチャレンジをしているわけである。危機というのは常にある。それはその時々によって違うが、気づいた人にとってはユートピアであり、そうでない人にとってはデストピアという意味で危機なのである。

★もしも全員気づいていないということがあったら、その社会は壊滅する。日本社会はまだそこまでゆでガエルではなさそうだ。

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