« 2月1日から3日までのアクセスランキング50 | トップページ | 三田国際の応募者総数今年も3000人を超える。国際生入試は前年対比増。高品質の教育へ。 »

2019年2月 4日 (月)

【2019年度首都圏中学入試(47)】 塾の合格実績の一極集中が崩れるかもしれない。

★昨年と同日である2月4日段階の塾のいわゆる最難関校の合格実績を比較してみよう。

19_2

★SAPIXは、合計で50人減少。早稲田アカデミーは15人増。日能研は75人増である。

★この数字を大して問題ではないとみるかどうかは、判断が難しいが、もし早稲田アカデミーと日能研が、ここ2年くらいで、もう100人ずつ増やしたら、SAPIXの一極集中シェアは崩れる。

★しかもこの崩れゆく過程で、個別塾や小さな塾からも合格者が増えるから、再び多極化するかもしれない。

★もし本当に中学受験者が増えているとするならば、市場が多様化して活況を帯びる方が、変化は加速する。

★もちろん、良い悪いは別にして、N高校のような在り方は中学受験業界にも入ってくるから、ますます多極化するだろう。

★なぜ多極化するかというと、新タイプ入試が認知多様性を広げたからだ。早稲田や慶応大学が一般入試で入りにくくなっているというのも、認知多様性がAO入試や推薦入試で拡大したからだ。おそらく2020年の大学入試改革は否が応でもそうなっていくだろう。

★認知多様性とは、A軸思考が得意な生徒、B軸思考が得意な生徒、C軸思考が得意な生徒、さらにそれぞれの軸で思考領域が異なるから、それぞれの才能に対応するには、多様なカリキュラムが必要になり、論理的思考力を養っていればそれでよいよというわけではなくなったからだ。

★また、一方で今までB軸思考をトレーニングするのは一握りの受験生で、あとはほとんどがA軸思考で足りていた。そして、そのことが、結果的に分断をつくることになり、最難関校受験の一極集中が進行してしまった。

★しかし、今や受験生全員にB軸思考が求められつつあるから、それが一極集中という凍てついた受験市場を融かすきっかけになっているのかもしれない。

★かくして、当面学歴ブランド校は熾烈な競争になるだろう。しかし、A軸(知識・理解)思考×B軸(適応・論理)思考の受験生とB軸思考×C軸(批判・創造)思考の受験生が存在するようになるので、学校選択はもっと豊かになる。教育の質を見定めることができるようになるので、一方では熾烈な優勝劣敗の受験市場ともう一方では質の豊かさの競争の市場という二極化が生まれるだろう。

★かつて二極化というと偏差値の高い学校とそうでない学校とか集まる学校と集まらない学校という分断だったが、今後は競争の在り方、しいていえば、競争と共創の二極化が起こるのかもしれないというコトなのである。

|

« 2月1日から3日までのアクセスランキング50 | トップページ | 三田国際の応募者総数今年も3000人を超える。国際生入試は前年対比増。高品質の教育へ。 »

中学入試」カテゴリの記事