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2019年2月 2日 (土)

麻布の中学入試問題③ 国語 成長のアルゴリズムを組み立てる それにしても12,000字とは!?

★今年の麻布の国語の素材文は、いつものように物語1本だが、12,000字だった。例年7,000字くらいだから、長い。もっとも、安東きみえさんの物語で「明日への改札」という児童文学作品だから読みやすい。麻布受験生にとっては戸惑うことはなかったと思う。

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★この作品は、2012年に「天のシーソー」が再発刊されたときに書き下ろしとして掲載された作品。麻布は、入試前年に話題になった作家の作品や新刊の作品などを出題することが多い。

★今回も、安東みきえさんは、昨年野間児童文芸賞を受賞している。暗黙のルール通りだったということか。

★物語のキャラクターの感情や心情の変化も論理的に読み解くことができるというのが麻布の姿勢だし、そう言っていながら、意外な顛末を描く物語を出すこともある。もちろん、意外だというのは、論理的前提があるからこそ、意外性というズレを説明できるわけであるが。

★しかし、今年は、12,000字ということもあり、一つ一つの問いは平易だった。ただ、成長物語の定番とはいえ、抵抗→逃走→事件→葛藤→内省→関係性への気づき→成長という物語のアルゴリズムを予想しながら進んでいかないと、時間は足りなかっただろう。


★いずれにしても、今STEAMとかが話題になっているが、この物語=アルゴリズムという発想があってはじめてSTEAMということになるし、STEAMによって物語=アルゴリズムの思考が鍛えられるということもある。麻布の進歩主義的伝統とはこういうところにある。

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