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2019年1月 5日 (土)

New Powerの学校×教師(23) IB布教の第一人者大迫先生「教育相談事務所」開設の意味

★昨今、IB(国際バカロレア)の認知がこれだけ広まったのには、大迫弘和先生の影響は大きい。その大迫先生が、今度は、「教育相談事務所」を開設する。(以降「大迫事務所」)

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★いよいよ、日本の学校をめぐる経営と教育のアップデートが起こる外部環境が整ってきた。大迫先生のプロフィールは、同サイトによるとこうある。

大迫弘和プロフィール:東京都大田区田園調布生 東京大学文学部卒 
           1987年-91年在英 
 
【現職】
千代田インターナショナルスクール東京(CHIST) 学園長
武蔵野大学教育学部教授
都留文科大学国際教育学科特任教授
神戸親和女子大学客員教授
文部科学省IBコンソーシアム関係者協議会委員
 
【経歴】
1999-2009 千里国際学園中等部・高等部(現関西学院千里国際中等部・高等部)校長
2008-2009 学校法人千里国際学園学園長
2009-2011 同志社国際学院設置準備室室長
2011-2012 同校初代校長
2013-2017 リンデンホールスクール中高学部校長
2013-2015 広島女学院大学客員教授・IB調査研究室長

★すごい活躍であるが、やはり基本はIBをベースとした経営と教育づくり。その長年のIB文化資本のリソースを、もっと拡大していくためのコンサルティング拠点をつくったのであろう。

★米国では、大学の教授や教師がコンサルティングコミュニティをNPOとか起業によって立ち上げるのは当たり前だが、日本ではまだまだであるから、大迫先生のような教師のライフスタイルは、今後ますます多くの教師に刺激を与えるだろう。

★同サイトの「学校コンサルティング」のページにはこうある。

これまで「学校法人海城学園」「学校法人大阪女学院」「学校法人山梨学院」「聖ヨゼフ学園」「金蘭千里中学校高等学校」「アオバジャパン・インターナショナルスクール」等、多くの学校に対してお力添えをさせていただいて参りました。それぞれの学校の教育の充実に多少なりともお役に立てたのではないかと思っております。
 
*教員の意識改革を進めたい。
*建学の精神に基づきながら新しい教育に挑みたい。
*「主体的・対話的で深い学び」をどう実現するか悩んでいる。
*授業力のアップを図りたい。
*効果的な学校管理体制を確立させたい。
*教育の国際化を推進したい。
*地域の特性を活かした教育を実践したい。
*評価方法を見直したい。
*生涯に渡って学び続けるための姿勢を育てたい。
*これから求められる初等教育、中等教育について確認したい。

★なるほど、ここ数年、海城学園が、新しい流儀で御三家に追いつく勢いの一つの要因に大迫先生のコンサルティングがあったわけだ。

★大迫先生は、私立学校のコンサルティングが多いが、文科省や公立大学にもかかわっているため、公立学校や私立学校にかかわらず、今後ますます広く影響を与えるだろう。IBはなんだかんだといって、やはり費用はかかる。それに第二次世界大戦後の世界構想の流れの中で生まれた必要性に応じてIBはデザインされてきた部分もある。

★普遍性と言っても、欧米、特にヨーロッパの影響を受けているため、大迫先生は、日本流儀とも融合した21世紀型IBを研究・実施もしている。それに、学習指導要領とIBの適合性も整えながら実践してきた。

★IBを導入する学校はいうまでもなく、そうでない学校も世界標準かつ独自性を担保する教育と経営をいかにしていくか、大迫事務所は頼りにされることは間違いない。

★これによって、IB型教育系、シリコンバレー型教育系、ダライ・ラマ風マインドフルネス型教育系、21世紀型教育機構系、コンサバ教育系という学校の新しいカテゴリーが出揃ったといってよい。

★IB型教育系とコンサバ教育系はある意味親和性が高い。グローバルかドメスティックかの違いはもちろんある。この場合のコンサバ系は、いわゆる東大を頂点とする学歴社会を保守するから、格差が生まれるのは避けられない。少子高齢化によって統廃合が進み、学歴社会を温存しながらサバイバルしていくことになる。

★シリコンバレー型教育系は、基本はイノベーションベースで来るものはこばまずだから、IBとも協力し合うところはそれなりにするだろうが、おそらく眼中にはない。Appleやマイクロソフトとの連携の絆の方が強いだろう。

★ダライ・ラマ風マインドフルネス系は、シリコンバレーやIB系を拒絶はしないが、格差を徹底的に解決しようという動きが大勢を占める超ユートピアである。

★21世紀型教育機構系は、欧米もアジアも貫く普遍性ビジョンを追求し、他のいずれのカテゴリーも思いもつかない政治経済の変容を生み出す契機を孕んでいる。社会主義的経済や強欲資本主義的経済ではなく、モモ的な最高善資本主義的政治経済を創り出す。

★そういう意味では、落合陽一氏のような世界観と共振する部分が多いかもしれない。

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