【21世紀型教育機構のPBL_01】 香里ヌヴェール学院の授業リサーチで見えてきたコト
★先生方はとにかく忙しいし、生徒との対話も密だから、リフレクションのまとまった時間が取れない場合もあるので、そんなときはレポートを見ていただき、メールなどでQ&Aのやり取りをする。もちろん、次の時間授業がなかったり、放課後時間があるときなど、先生方とリフレクションの対話をする。
★岡目八目なので、先生方にとっては当たり前で、暗黙知として実践しているところが、私には、素敵な仕掛けや生徒との対話の中で最近接発達領域を見出しながら展開しているところが見えたりする。そのモニタリングの痕跡がレポートなので、それに沿って対話をしていく。
★授業は、単元というシークエンスになっているから、一回の授業で終わることはほとんどない。前回の授業と次の授業との連続を意識しながら、ここはすかさずリフレクション入れるとおもしろかったかもとか、レクチャーにすぐシフトしないで、少しインプロでいいのでディスカッションとかできたかもなど気づいたコトも話す。
★すると、先生の方で、そのためには、ここの素材の説明を圧縮しようかなとか、問題の難度の差については、次回少し議論してもらうつもりだったんですと、単元のシークエンス、あるいはストーリーを語ってくれる。
★社会の角先生の授業は、同じ問いを2回投げるPILもさしはさむPBL型授業。問いを考えるための知識が不足している段階で、自分が今まで持っているデフォルトモード情報ネットワークを使いながら、自分なりに考えてみる。その次に動画などで、足りない知識を補充して、思考の広がりのヒントにする。
★ただし、その動画という内容=テキストの読み解き方は、生徒一人ひとり違うから、どの知識を補充するかは、生徒にいったん任される。しかしながら、動画は情報量が多いため、意識しないうちにデフォルトモード情報ネットワークとして潜在的な質料として生徒に入り込むものもある。
★メモリー知識ネットワークとして入り込むのか、潜在的なデフォルトモード情報ネットワークとして入り込むのかによって、生徒の新たな思考はまたさまざまに広がるし多様性を生む。
★この多様性は、メモリー知識ネットワークという論理的処理ができるものと、デフォルトモード情報ネットワークとして、感性や感情などの生成もかかわってくるものが織りなしていく。

(3人の先生方の授業リサーチや対話を通して、気づいたコトが上記の図のように結晶した。)
★この知識、感性、感情などを整理したり結び付けていくには、ネットワーク創出スキルのトレーニングが必要。ここらへんの対話を全部ではないが、角先生と対話しながら、互いになんらかの気づきを得たのではないかと思っている。
★いずれにしても、まず知識が大切で、それから思考であるというリニアーな展開ではなく、知識の不足から思考しはじめるダイナミックな角先生のPBL型授業は興味深かった。
★馬場先生のPBL型授業は、完全に数学的思考のトレーニングで、外心・内心・重心の諸関係について多角的に考察し、練習問題でトレーニングしていく授業。
★図形のアプリを使いながら、三角形をどんなに変形しても、変わらぬ均衡点が三種類できることを対話していく。建築のときのアールを設計するときやフラクタルな図形を生成する時の条件ルールを体得していく。エンジニアリングデザインのときに重要な思考だ。
★アプリの威力はすさまじく、図形の多様な変形にもかかわらず、変わらぬ均衡点が見えてくるといったダイナミクスが目の前で展開していく。
★練習問題は、問題を解く時間というより、生徒一人一人が分解と統合という数学的ロジックを1人で構築していけるように、質問を受け付けながら、ファシリテートしていくというスタイル。生徒が質問できる安心安全な対話の場がマインドセットされている。これは3人の先生に共通しているすてきな心理性である。
★それゆえ、自然発生的にPIL(生徒同士が教え合う)瞬間も広がっている。生徒の質問は、質問した段階で次に進めるという場合があり、そのときは、馬場先生は「もう少し悩んでもらわなあかんなあ」と微笑みながら声をかける。ある意味魔法の言葉だ。
★生徒の質問が、ステップを飛ばしてしまったときは、スモールステップにわけた問いを返すという対話を行っている。
★PBLの醍醐味は、この生徒1人ひとりの思考のステップのときに生まれる最近接発達領域を見出すことである。生徒同士がPILの過程で、自分で見つけてしまうときもあるし、教師でなければ判断がつかなくなるときがある。最近接領域を発見できる問いかけをする場合はファシリテーターを演じているし、最近接領域に気づくヒントを出す時にはコーチになっている。
★PBL型授業では、先生方は、レクチャーしているときの教師としてのロールプレイとこのようなファシリテーターやコーチとしてのロールプレイのダイナミクスを果たしているわけで、その3者とコミュニケーションする生徒もマルチな役割を行っていて、知のドラマになっている。だから授業はワクワクするのだ。
★古賀先生の中2の英語の授業は、タブレットを使って、英語4技能を結び付けるというより五感をフル回転していくPBL型授業。アイデンティティに関するライティングの問題も、実は多角的に証明していくロジカルな思考と物語の思考とある意味作品の真贋を見抜くアート思考が複合的に組み合わさっていた。
★もちろん、ここに描いたような話について、先生方は、必ずしも意識して行っているわけではない。ある意味授業の達人は、身体が言葉が脳神経系が勝手に動くようになっている。
★だから、第三者がモニタリングして、授業後、ああでもないこうでもないと自由に語り合うことによって、気づきが生まれる可能性が大である。そのとき、先生方は新しい動きを始めることにもなるかもしれない。
★このように、授業リサーチは、新たな気づきを先生方1人ひとりの文脈の中で共有することができる。同時に、シートがシステマティックになっているので、集計すると香里ヌヴェール学院の先生方の授業スタイルの傾向、思考コードの領域分布、各種思考スキルの使用
頻度の傾向がデータ化される。
★来年度からアップデートする際に、微力ではあるが、何かの役に立つかもしれないと考えている。
★社会の角先生の授業は、同じ問いを2回投げるPILもさしはさむPBL型授業。問いを考えるための知識が不足している段階で、自分が今まで持っているデフォルトモード情報ネットワークを使いながら、自分なりに考えてみる。その次に動画などで、足りない知識を補充して、思考の広がりのヒントにする。
★ただし、その動画という内容=テキストの読み解き方は、生徒一人ひとり違うから、どの知識を補充するかは、生徒にいったん任される。しかしながら、動画は情報量が多いため、意識しないうちにデフォルトモード情報ネットワークとして潜在的な質料として生徒に入り込むものもある。
★メモリー知識ネットワークとして入り込むのか、潜在的なデフォルトモード情報ネットワークとして入り込むのかによって、生徒の新たな思考はまたさまざまに広がるし多様性を生む。
★この多様性は、メモリー知識ネットワークという論理的処理ができるものと、デフォルトモード情報ネットワークとして、感性や感情などの生成もかかわってくるものが織りなしていく。

(3人の先生方の授業リサーチや対話を通して、気づいたコトが上記の図のように結晶した。)
★この知識、感性、感情などを整理したり結び付けていくには、ネットワーク創出スキルのトレーニングが必要。ここらへんの対話を全部ではないが、角先生と対話しながら、互いになんらかの気づきを得たのではないかと思っている。
★いずれにしても、まず知識が大切で、それから思考であるというリニアーな展開ではなく、知識の不足から思考しはじめるダイナミックな角先生のPBL型授業は興味深かった。
★馬場先生のPBL型授業は、完全に数学的思考のトレーニングで、外心・内心・重心の諸関係について多角的に考察し、練習問題でトレーニングしていく授業。
★図形のアプリを使いながら、三角形をどんなに変形しても、変わらぬ均衡点が三種類できることを対話していく。建築のときのアールを設計するときやフラクタルな図形を生成する時の条件ルールを体得していく。エンジニアリングデザインのときに重要な思考だ。
★アプリの威力はすさまじく、図形の多様な変形にもかかわらず、変わらぬ均衡点が見えてくるといったダイナミクスが目の前で展開していく。

★練習問題は、問題を解く時間というより、生徒一人一人が分解と統合という数学的ロジックを1人で構築していけるように、質問を受け付けながら、ファシリテートしていくというスタイル。生徒が質問できる安心安全な対話の場がマインドセットされている。これは3人の先生に共通しているすてきな心理性である。
★それゆえ、自然発生的にPIL(生徒同士が教え合う)瞬間も広がっている。生徒の質問は、質問した段階で次に進めるという場合があり、そのときは、馬場先生は「もう少し悩んでもらわなあかんなあ」と微笑みながら声をかける。ある意味魔法の言葉だ。
★生徒の質問が、ステップを飛ばしてしまったときは、スモールステップにわけた問いを返すという対話を行っている。
★PBLの醍醐味は、この生徒1人ひとりの思考のステップのときに生まれる最近接発達領域を見出すことである。生徒同士がPILの過程で、自分で見つけてしまうときもあるし、教師でなければ判断がつかなくなるときがある。最近接領域を発見できる問いかけをする場合はファシリテーターを演じているし、最近接領域に気づくヒントを出す時にはコーチになっている。
★PBL型授業では、先生方は、レクチャーしているときの教師としてのロールプレイとこのようなファシリテーターやコーチとしてのロールプレイのダイナミクスを果たしているわけで、その3者とコミュニケーションする生徒もマルチな役割を行っていて、知のドラマになっている。だから授業はワクワクするのだ。
★古賀先生の中2の英語の授業は、タブレットを使って、英語4技能を結び付けるというより五感をフル回転していくPBL型授業。アイデンティティに関するライティングの問題も、実は多角的に証明していくロジカルな思考と物語の思考とある意味作品の真贋を見抜くアート思考が複合的に組み合わさっていた。
★もちろん、ここに描いたような話について、先生方は、必ずしも意識して行っているわけではない。ある意味授業の達人は、身体が言葉が脳神経系が勝手に動くようになっている。
★だから、第三者がモニタリングして、授業後、ああでもないこうでもないと自由に語り合うことによって、気づきが生まれる可能性が大である。そのとき、先生方は新しい動きを始めることにもなるかもしれない。
★このように、授業リサーチは、新たな気づきを先生方1人ひとりの文脈の中で共有することができる。同時に、シートがシステマティックになっているので、集計すると香里ヌヴェール学院の先生方の授業スタイルの傾向、思考コードの領域分布、各種思考スキルの使用
頻度の傾向がデータ化される。
★来年度からアップデートする際に、微力ではあるが、何かの役に立つかもしれないと考えている。
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