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2019年1月30日 (水)

【2019年度首都圏中学入試(44)】 工学院で、人類の宝物「対話思考」を探し当てよう

★本当に大事なことを追究していると、目の前の利益だけを追っている超合理主義的な人々には、その大切さを気づいてもらえないということはよくあることだ。

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★たとえば、工学院の図書館は、fabスペースではないが、fabスペースだと錯覚している人がいる。HTHのメイカーズスペースとも違う。STEAMスペースだと思い込む人もいる。それも違う。

★読書空間とSTEAM空間の融合である。哲学なきエンジニアリングは愚かであり、STEAMなき哲学は空虚であるのだから、その両方のデメリットを超えたところに工学院のこの新しいスペースはあるのだ。PhiloSophyならぬPhiloSteamスペースとでも呼んでおこうか。

★国語教諭であり、司書教諭でもある有山先生が中心となって創意工夫した実装知を育てる場は、実は他校にはないのである。哲学なきエンジニアリングという愚かな空間は山ほどある。その愚かな空間で真剣に学びに没入している。それでは、あまりに知のタイタニック空間ではあるまいか。

★一方ふだんの授業で行われているPBLは、世界構築のためのプロジェクトである。何を大げさなと超合理主義者はいう。しかし、自分の子供を人がつくった世界の線路に乗せたいと思うだろうか。人生の道はみんなで創っていったほうがワクワクするのではないか。

★組織に抑圧され愚痴をいうのは、その超合理主義者のパラドクスなのだけれど、それは世界構築に自分が参加していないから、抑圧もされ愚痴も言いたくなるのだ。

★もちろん、人が創った組織においても、ぜひこの組織をアップデートするのをいっしょにやってほしと言われることは大切だ。最初からでも途中からでも参加できることが大切なのだ。

★しかし、世界構築をみんなで行ったり、アップデートに協力したりするプロジェクトに必要なことは何だろう。英語ができることか?創造的思考ができることか?ICTが活用できることか?


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★それらは、たしかに、みな重要である。工学院の教務主任田中歩先生は、しかしながら、それらを有機的につなぎ、化学反応を生み出す対話思考がなければ意味がないという。

★だから、思考コードを仲間と創出し、授業で活用する。思考コードは対話思考を生み出す基盤である。田中先生は英語の教師でもあるので、教師も生徒も多様性を大事にし、学内でかなりの割合を外国人教師や帰国生などで占めるようにネットワークを拡大している。

★認知多様性とその多様性を受け入れる心理的安心安全は対話思考があってこそ豊かになる。ホットハート&クールヘッドとよく言われるが、言うは易く、行うは難しである。

★工学院で、人類の宝物「対話思考」を探し当てようではないか。

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