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2019年1月26日 (土)

【2019年度首都圏中学入試(33)】 聖セシリアの変わらぬ魅力 評価され続ける

★今年の聖セシリアの応募者総数の前年対比は、1月25日現在102.6%(首都圏模試センター調べ)。最終的には125%を超えるところまで伸びるだろう。

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★ここ数年、私立中高一貫校は、改革の嵐だった。それゆえ、改革疲れとか改革の平凡化が起こったと見る見識者もいる。たしかに、今年の首都圏新設あるいは共学化の学校が指数関数的なピーキーカーブ(受験者総数が一気に2,000人を超えるような)を描くというコトはなかったかもしれない。

★しかしながら、伝統主義的教育から進歩主義的教育へ、少しなのか、中くらいなのか、大胆になのかは多種多様であるが、多くの私学が動いているというのは、いまここで学んでいる子供の未来を考えれば、歓迎するべきことで、揶揄すべきことではないように思う。

★世の中は、どうしても暗黒面のルサンチマンが好きだから、ネガティブなものの見方をする。日本だけではなく、世界中そこは同じだ。シェークスピアの作品の通奏低音のテーマ「アンビバレンス」やJ.J.ルソーの社会契約論に潜む「ヤヌスの顔」は、近代の歴史が驀進するエネルギーだったのではないかと思えるほど普遍的な人間の深層の煮えたぎる嫌悪のマグマである。

★この改革一休みムードの状況をみたときに、見識者の中から、自らのルサンチマンを表出すべく大声で叫ぶ人もでてくるだろう。そんなとき、聖セシリアの出番である。普遍的な愛の精神と希望の光で闇を払拭する。

★聖セシリアは、新タイプ入試を行っているから、進歩主義的教育も実践している学校であるが、だからといって改革を急にしたわけではない。オリジナルテキストを先生方がつくる教材研究という基礎研究を続けてきた。エンカウンターといういまでいうGrowth Mindsetやマインドフルネスという心理的安心安全の場を作つづけてきた。そのような場があるからこそ、生徒一人ひとりの価値ある存在が開花するわけである。

★グループワークや対話は、同校にとって変わらぬ教育だった。英語教育もしかりである。

★ただ、それを中学入試という場で、全面的にメッセージとして流してこなかったが、世の中の動きが、それを後押ししたということだろう。

★オリジナル教材、英語教育、エンカウンターに象徴される心の教育は、同校の変わらぬ教育である。それゆえ、世の中的には進歩主義に見える。しかし、世の中が追いついてきたということが本当のところだろう。

★だから、実績がちゃんと見えるのである。受験生や保護者が、説明会に行けば、しっかり根をはった変わらぬ教育があることを実感できるのである。

★それゆえ、2科4科選択だと、4科目入試の応募者の方が多いし、帰国生入試や英語入試及びグループワーク型入試も成立している。

★妬み、嫉み、怖れ、不安、不満、怒りなどのルサンチマンの塊の蠢きは世の常であるが、それを一掃する光もある。

★伝統主義的教育か進歩主義的教育かではなく、J.デューイは、真実の教育が重要であることを語る。それゆえにデューイ自身は、経験主義的な道具主義的なプラグマティックな理論と実践が生徒の中で融合し、化学反応を生み出す教育を追究した。

★聖セシリアの変わらぬ教育とは、そのような真実の教育であると置き換えることができるだろう。

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