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2019年1月24日 (木)

【2019年度首都圏中学入試(30)】 八雲学園 歴史の転換点に立ち臨む 近代の未完のプロジェクトを推進

★昨年80周年を迎え、共学校になった八雲学園は、世界的な経済システムの変質への対応、SGDsに象徴されるような世界の痛み――八雲学園の場合は、特にそのテーマの1つジェンダー問題――を解消するための創造的問題解決能力の要請、グローバリゼーションの光と影のうち影を払拭するミッション(SGDsにも通じる)を引き受けた。時代の大きな転換点に立ち臨む意志決定をしたのである。

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(2018年5月 イエール大学の学生との交流シーン)

★そのため、C1英語、PBL、ICT活用、STEAM×哲学というリベラルアーツの現代化をカリキュラムに実現し、RS(ラウンドスクエア)というIB機構レベル(もともとRSとIBの創設者は同一人物クルト・ハーン)という世界のエスタブリッシュな私立学校のコミュニティにも加盟した。

★それゆえ、男子の志望者は昨年よりも増えている。ところが、女子の志望者がそれほど伸びていない。女子だけの世界で溌溂と学園生活を送りたいという志望者が回避したと思われる。

★しかし、男子の目を気にしないでのびのびできる女子校とか、女子の目を気にしないでのんびりできる男子校という発想そのものが、そろそろ歴史的な転換を果たさねばならない時期に来た。男女の差というのは、科学的にまだまだ証明されているわけではなく、むしろ、ジェンダー問題は、アンチ民主主義的な社会構造上の問題が大きい。

★誤解していただきたくないのは、男子校や女子校が反民主主義的で、共学校が民主主義的だと言いたいわけではない。昨今ニュースで取り上げられているパワハラなどの反民主主義的な社会構造の縮図をそのまま持ち込んでいる共学校もあるし、おなじくシングルスクールもある。

★一方、シングルスクールか共学校か、形態はともかく、反民主主義的なジェンダー問題を意識して,、民主主義の理想を追究する教育に取り組んでいる学校はいっぱいある。
★しかし、本格的にそれに取り組んでいるかどうかは、きちんとクリティークされてているわけではない。そういう意味では、八雲学園は本格的に取り組み始めたと言ってよいと思う。

★ともあれ、近代化の出発点は、1689年から4つの89年を経て、自由・平等・博愛の実現への道であった。その道は、しかしながら、未だ道半ばである。それを教育によって実現しようとしたのが、日本では私立学校だったし、IBやRSだった。

★その意味で、私学の系譜を大切にするコミュニティ、特にRSに加盟している八雲学園は、この近代の未完のプロジェクトに参加していると言ってもよいであろう。

★そして、この近代の未完のプロジェクトが大きなウネリとして、まるで最後の闘いに挑むがごとく歴史は動いている。2040年に完成したいという時代の要請があるからだろう。

★八雲学園は、その時代の要請に応える牽引校である。そして、そこで学び合う教師も生徒も世界の問題を創造的に解決するリーダーとして活躍することになろう。

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