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2019年1月22日 (火)

【2019年度首都圏中学入試(25)】 上野学園 果敢に攻める 学校選択の成熟化時代だからこそ

★本日22日、千葉エリアでは、渋谷教育学園幕張の第1回目の入試が行われている。その隣では昭和秀英の入試も行われている。両校とも応募者は前年より増えている。茨城、埼玉、千葉と、首都圏では中学入試が行われてきている。東京・神奈川は2月1日からだから、明日からは、東京・神奈川の出願もピークを迎えるだろう。

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★そんなこれからまだまだ出願という時期であるにもかかわらず、麻布や早稲実業、武蔵、駒場東邦、筑駒、女子学院、学習院女子、立教女学院、雙葉は、前年よりも増えている。そして、そのラインナップに上野学園が並ぶ。応募者総数ではやくも前年対比、134.6%(首都圏模試センター調べ)である。総数の倍率も、3.7倍。これから増えるわけであるから、2019年度入試において注目すべき学校の1つだろう。

★上野という地理的条件を活用して、探究型の特色あるプログラムを構築して3年が経過。サイエンス、ソーシャル、浅草外国人インタビューなど多様な探究型プログラムが積み重ねられてきた。

★このような進歩主義的な教育と同校の強みである1人1つの楽器を学ぶプログラムは、やがてSTEAM教育につながっていくことは予想するに難くない。

★1月26日、はやくも来年の受験生のためにSTEAM型プログラムを実施する。同校サイトのメッセージにはこうある。

「グループの仲間と協力して,レゴでロボットをつくり,プログラミングで動くロボットを作ります。一人一人が考え協力し,出題された課題を乗り越えていきましょう。皆さんの参加をお待ちしています。
 また、講座修了後、中学3 年全生徒による「ひとり一つの楽器」演奏がございます。中学1 年から始めた、「ひとり一つの楽器」の集大成の演奏会になりますのでお聴きいただけたらと思います。 」


★2019年度の入試の傾向は「学校選択の成熟化」ではないかと思っている。世の中は、改革疲労を感じている。改革はわかったから、実質本当にそうなのか実践をやっているのかを注目するようになっている。

★上野学園も、特色あるプログラムをやりますと宣言した時は、注目を浴びたが、その後実践の過程は、なかなかアピールできなかったから、少し応募は減った。しかし、今は改革宣言を実際に行い、成果を挙げていることをアピールできるようになっている。

★改革の「実質実装」の検証ができた時点で、応募者が再び増えたと考えることができるのではないか。進歩主義と伝統主義。進歩主義は期待値、伝統主義は実績で応募者を集めてきた。

★しかし、これからは、期待値ではなく、実質実装による実績が求められる。ただし、その実績は大学合格実績と子どもの成長度。

学校選択の質=進歩主義教育の実質実装度×実績(大学合格者数×子供の成長度)

★こんな学校選択の質が問われる時代、つまり学校選択の成熟化の時代がやってきたのではないだろうか。

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