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2019年1月21日 (月)

【2019年度首都圏中学入試(24)】 今年の灘の算数1日目から 宇宙船の構造につながる数学的思考力

★灘の算数は、日ごろから手を動かしながら、数えながらトレーニングするのには最適な問題。もっとも合格する生徒は、それが頭の中で、パッとイメージが湧くように、内在化されているのだろうが、ともかく、次の問題を30秒くらいで解けるだろうか?

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★正三角形の角度と辺の特徴を知っていれば、ロジカルに分割して、統合していけば解ける。しかし30秒は無理だ。思考コードでも、B2あるいはB3になる。

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★普段から手で図形を書きながら動かしている生徒は、頭の中でもやってみることができるようになっている場合が多い。正三角形を回転させてみよう。あることに気づくだろう。正三角形ABCの中に三角形ABPをふくめABPと合同の三角形を3つ描くことができる。

★それに1:2という比を思い浮かべれば、あっという間だ。頭でイメージできない時は、実際に3つのABPを正三角形ABCの中に描いてみよう。

★もうお分かりだと思う。2:1だから1の三角形がいくつできるのか?7つである。あとはもうわかるだろう。

★30秒で気づいた受験生はかなりの確率でいたのではないだろうか。しかし、30秒で解けるかどうかが問題ではない。パッとひらめくには、ふだんどんな数学的思考を行っていればよいのか、大きなヒントになる。

★この問題は、共有する角を挟む2辺の長さの積が、面積比になるというロジックを見つけることもできる。これによって解くこともできる。これは直感を検証しながら解く必要があるから、時間はかかるだろうが。他の図形の問題を解くときに大いに役立つだろう。

★ところで、このような数学的思考をトレーニングすることは、実用的ではないと思うだろうか。この脳内で、正三角形を回転させるイメージは、いつか必ず、実用的な場面でも役立つだろう。折り紙の数学的思考が、宇宙船の構造に応用されているように。

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