« 【三田国際学園】 大橋清貫学園長の講演のすばらしさ。(1)時代の変化を語ることの重要な意義。 | トップページ | 【三田国際学園】 大橋清貫学園長の講演のすばらしさ。(3) グローバル高大接続について »

2018年12月11日 (火)

【三田国際学園】 大橋清貫学園長の講演のすばらしさ。(2) なぜPBL型授業が毎日毎時間貫徹できるのか?

★時代の変化のカテゴリーの次は、いよいよその時代の変化に対応する教育の仕組みについて、大橋清貫学園長は語った。ホモ・デウスを例にAI社会の到来を予想しながら、それに「対応」するとはどういうことなのか明快に論じた。ここが保護者の心に響くのである。

Dsc06639

★それは、AI社会が到来したら、人間がAIロボットに支配されるから怖いというSFファンタジーの話などではない。もちろん、それは無視できないが、それよりも、従来のような平均的な知のレベルの人材育成では、AI社会を乗り切ることができないということであり、そのことにきちんと対応する学びや教育を準備しているところが、日本の教育現場では少なすぎることに対する生徒や保護者の不安があることだ。

★それは三田国際の保護者や生徒のみならず、世の中一般に拡散している時代の不安だというコトなのだ。これが本当に時代の変化を読むということだろう。

★この不安を解決する教育力をきちんと準備し創り上げている学校こそある意味ヒーローなのであり、この時代にあって奇跡の学校なのであると。

★では、どうやって対応していくのか?それはPBLとかアクティブラーニングという学びの仕組みなのだが、ただ対話をしたり議論をしたりすればよいというものではない。解なき世界の問題を見定め、それを批判的にかつ創造的に問題解決する思考力をトレーニングする授業が日々毎時間在ることが必要なのだ。

★しかも、このPBLの必要性の根拠とPBLによって確実に創造的思考力を身につけることができる種明かしを在校生の保護者と共有したのである。

★PBLの必要性は、インターナショナルコースでは、C1英語を設定しているため、当たり前のように必要だというところにある。海外大学入学後、即講義やゼミナールで、英語で議論ができなければならないからだ。

Dsc06679
★MSTコースでは、初めから医者あるいは研究者になることを目的にしているから、これまたPBLをやるのは当然である。

★PBLをやらなければいけないではなく、キャリアを未来に向けて自ら構想することによって、やるのが当然だという環境を作ったのである。

★では、本科コースはどうなのだろう。たしかに、今までは20世紀型教育から21世紀型教育へパラダイムシフトするのだという根拠が示されてきた。しかし、このような理念を根拠とすると、PBLが身近なものに感じられない。時代がそうなるからやらなければならないというのは、どこか生徒も主体的な勢いが内燃しない。

★ところが、本科コースは、これから時代の激変の中で、自分のキャリアを紆余曲折迷いながらも見定めていく生徒が多いわけで、未知なる森の中をコンパスと切り拓く道具を身につけなければならないとしたらどうだろう。

★自ら進んで、そのコンパスの使い方を学び、切り拓いていく道具を磨くのではないだろうか。その作業はどんなに苦しくてもワクワクするものだ。そのコンパスがメタ・ルーブリックであり、切り拓いていく道具がSTEAMスキルである。

★プログラミング、アプリ、グラフィック、映像、言葉、関数方程式、図形、絵画などを自在に組み合わせるSTEAMスキルを学び、論理的思考・批判的思考・創造的思考を活用するかトレーニングをしているかどうかメタ・ルーブリックでリフレクションする。

★当然、PBL型授業でなければ、コンパスと道具は使えない。生徒が進学するころは、文系であれ、理系であれ、数学とリベラルアーツは共通の思考スキルになっている。

★そして、それが平均モデル以上であるかどうか、常に自分の思考のポジショニングを確認するには、メタルーブリックというコンパスが必要だ。

★こんなすばらしい仕掛けが精緻にそして大胆に組み立てられている。保護者は、このような教育内容に投資して本当によかったと感じ入るのだった。AI社会のグランドデザインを自ら描けるわが子になる教育こそ投資の価値があるのだと。

|

« 【三田国際学園】 大橋清貫学園長の講演のすばらしさ。(1)時代の変化を語ることの重要な意義。 | トップページ | 【三田国際学園】 大橋清貫学園長の講演のすばらしさ。(3) グローバル高大接続について »

21世紀型教育」カテゴリの記事