【三田国際学園】 大橋清貫学園長の講演のすばらしさ。(1)時代の変化を語ることの重要な意義。
★三田国際学園が共学化し21世紀型教育を先鋭的にして4年が過ぎた。保護者は、十分に満足しているが、4年目に三田国際学園が教育のアップデートしたのを機に、大橋学園長のビジョンを再度共有したいというのがPTAの意図だったのだと思う。
★大橋清貫先生は、8つの柱を3つのカテゴリーに分けて話すと同時に、それらが「有機的」に結合して、三田国際の教育の全貌が見えるようにした。つまり、パーツが全体にどうかかわっているのか、保護者と共に鳥瞰視点を共有し、ああこれこれと保護者の方々が共感する雰囲気を生み出した。
★そもそも導入の部分から、さっと共感する雰囲気が広がった。それは、模擬試験会社の偏差値表を示し、4年間の偏差値68まで右肩あがりになるグラフを示し、在校生みんなでプレゼンスを高めていることを共有し、誰もがどう変わるかわからなにときに挑戦してくれた一期生をファーストペンギンとして大いに讃えた。こういうさりげない気配りがすてきだ。
★さらに、その偏差値表は2月3日のブロックを映し出していた。大橋学園長が、どうして2月3日を選んだと思いますか?と尋ねるや、保護者はぐっーと前のめりになった。そして、一番上に筑駒があるかあるからですよね。憧れますねと語ったその瞬間、ドッーと笑いが起こった。
★何に憧れるのだろうか?教育の魅力か?いや保護者は教育の魅力は三田国際が一番と知っているから、そこではない。目に見えない偏差値では、筑駒とか開成とか麻布とか桜蔭とか・・・関係ないということを大橋先生が示唆していることをさっと汲み取ったからであろう。
★学校説明会では見せない微笑を讃えながら、信頼関係のあふれる会場の中で話は進んでいった。
★さて、3つのカテゴリーの中で、時代の変化について、まず話されたのだが、これが実にわかりやすい。バブル崩壊以前、以後、2040年の時代年表を、その時代その時代を象徴する本をバーンと示すことによって簡にして要を得たトークをやわらかくしていく。
★三田国際の“Soul”を構成する要素の中に、研究者たれという学問的精神があり、それは生徒も保護者も共有している。
★だから、示された幾冊かの本は、保護者は読むことになる。生徒は図書館にいけば、学園長コーナーで貸し出しているから、当然読むわけだ。
★しかし、なんといっても、読書以上の理由が「時代の変化を読む」話にはある。おそらくここの理由をしっかり意識して話されている学校は他にないのではないだろうか。
★多くの学校の未来の話は、夢を消失させる怖い話で、恐怖をあおりがち。それが日々の学校教育とどう関係があるのだろう、校長の話は長すぎだからいらないよと塾関係者や学内関係者、そして保護者までに思われてしまう。
★ しかし、大橋学園長の時代の変化についての語りは、極めて重要で、この話が三田国際学園の3つのエンジンになっているのだ。いったい、それは何か?
★それについては、12月16日(日)、千葉で開催される平成最後の21世紀型教育機構のカンファレンスで、大橋学園長とクロストークを行うので、そこで聞いてみたいと思う。
★スピーチの魅力は、まずグロースマインドセットの広がりを一瞬に創り出すことだと感じ入った。
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