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2018年12月21日 (金)

New Powerの学校×教師(16) 聖ドミニコ学園の不思議 知られざる教育の魅力①

★世田谷区岡本といえば、多摩川の向こうにそびえる富士山を望める閑静な住宅街。その丘に聖ドミニコ学園がある。もともと岩崎家の別邸があった場所で、第44代内閣総理大臣幣原喜重郎が晩年を過ごした日本家屋があったところでもある。その跡地には、同学園のお御堂が建っている。

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(建築学部に進んだOGがかつて美術の時間に制作した作品。すでにSTEAM教育のカラシダネがここにはある)

★聖ドミニコ学園をこの地に移したときの理事長は、松方コレクションで有名な松方幸次郎のお嬢さんということだ。松方家は岩崎家と親戚関係だし、幸次郎の父は、第4代、6代内閣総理大臣松方正義である。

★迎え側の丘には、岩崎家の美術品が所蔵されている静嘉堂文庫という美術館があるが、聖ドミニコ学園の敷地は、要するにもともとはその岩崎家の別邸の延長線上にあったのだろう。

★高橋是清もこの近くに別邸を持っていた。この岡本のある国分寺崖線は、政財界人の別邸が立ち並ぶ空間だったのである。

★等々力の方まで歩けば、東急大国を築いた五島慶太の自宅があった。そこは、今は五島美術館になっている。今でも財閥の流れを汲む森村家や歴代総理大臣の自宅があった場所でもある。

★今では、ユーミンやあの篤姫などの住まいがあるらしい。

★偏差値では測り切れないとてつもない名門校である聖ドミニコ学園。今ではほとんどの人がこの空間の価値と歴史を忘れているが、モネを説得してあのスイレンの多数の絵画を日本に紹介した松方コレクションは多くの人が知っている。そしてそれが実るまで、松方がモネやフランス国家と交渉した苦労の軌跡は歴史物語として今も語り継がれている。

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(写真は同校サイトから)

★今でも、毎年フランスの高校生と交換留学をしているのは、どうやら偶然ではなさそうである。

★この松方家や岩崎家の文化遺伝子が、静かに脈々と続いているのであろう。つい最近まで正田家の娘さんが生徒だったのもそういう理由があるのだろう。


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★とにも、フランスに限らず、ニュージーランド、オーストラリアをはじめ、海外の留学も盛んなのは、今急に始まったことではない。 帰国後報告会も開催し、世界の文化や出来事を学内共有もしている。

★上記写真で、フランス大使館からのスペシャルゲストのおもてなしもしている。フランス語を小学校から高校まで学ぶチャンスがあるからということもあるだろう。目先の大学合格実績だけを追求する教育とは違い、世界の地に足をつけた本質的なグローバル教育を行っているのである。

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