New Powerの学校×教師(14) 千葉カンファレンス 開智グループのIBソフトパワー③教師力
★カンファレンスで語られたPBLや探究の魅力やその理論と実践が、これほど有機的につながり、一貫性のあるカンファレンスとなったとは、企画者としての私自身も驚愕だった。やはり、手法は違うけれど、21世紀型教育を描いている三田国際と開智学園のコラボレーションは相乗効果の響きを奏でたということだろう。
★そんな中で、いつもとは違い、学問的な視角もつながったために、それがどうつながっているかについて、少し触れておいた方がよいと思ったので、まとめる話をしたのである。
★主体というのは、実は語源的には主観にも通じている。しかも、カント前と後では、意味も違っている。そして、今、今度はカントの流れをさらに次の次元に転換し、間主観という現象学的概念に変質している。
★この現象学は、フッサールという数学的思考ベースの哲学者によって構築された。そして当時のファシズムに迫害される。
★しかし、だからこそ、教育が本物に回帰しているというニーチェ的な永劫回帰は、成り立つのかもしれない。最近STEAMというのが話題になっていることもあり、コンテンポラリーアーティストとも話すけれど、ニーチェのラクダ→ライオン→子供という永劫回帰サイクルは、美術史における転換点をそれぞれ象徴しているのだと聞く。
★コンテンポラリーアートの動きは、建築や数学にも影響している。もちろん、その逆もあるだろうが、ともあれ、そこにようやく教育の領域も追いついてきたというコトだと思う。
★「主体的・対話的で深い学び」の「主体的」は実はこの「相互主観的」と置き換えることもできるのである。こうなってくると、俄然改訂学習指導要領はワクワクしてくるのだ。「主体」とは、形式的な「主語」の意味ではなく、その内省によって豊かになる「相互主観」としてのアイデンティティでもあるからだ。
★それゆえ、それは、プロジェクトになる。My Project→Our Project→World Projectという成長の実感を抱きながらキャリア構想をイメージして学んでいく子供たち。創造的才能が開花しないはずがない。
★そんなまとめで終わった。終了後、すぐに開智望小学校の峰岸先生が、声をかけてくれた。峰岸先生は中高の数学教諭だったが、PYPの実践のために望小学校に異動。そして、将来の中等教育のIB教育へのブリッジを創り出すコーディネーターをしているようだ。
★とにかく、マルチタスクができる未来の教師のオーラ―を発しているすてきな教師である。最近、PBLのワークショップや研究会を企画していると、数学と理科の先生方との出会いが多くなっているのにふと気づく。やはり時代なのだろう。
★峰岸先生は、教科を超えて様々な教育実践、教育活動をしている。聴きながら、認知能力だけではなく、非認知能力の領域もカバーされているようだった。

★話を聞きながら、その後頂いたfbのメッセージを拝読しながら、上記のような図を思いついた。そして、その後、香里ヌヴェール学院の先生方との創発会議や聖学院の授業デザイン研究会で実施している創発ワークショップなどでも、このイメージは違和感なく共有できることも発見した。
★峰岸先生、新たな覚醒をさせていただき、心から感謝いたします。ありがとうございました!
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