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2018年12月13日 (木)

未来を拓く学校を探す (23) 順天学園の教育の挑戦

★順天学園は、大学進学実績も伸び、系統学習のみならず能力・資質を豊かにする探究型教育も行っている。SGH校であり、21世紀型教育機構の加盟校として、中学入試市場でNew Power Schoolとして評判が高い。

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(宇宙観が広がる知の学びの空間「理軒館」で)

★そして、SGH認定は、文科省との約束の最終段階の5年目を迎えた。文科省もSGHのシステムをアップデートすることもあって、順天もまた新たな挑戦をしている。

★それは、いよいよポートフォリオによる、何を学び、何を課題として発見し、さらに何を探究していくか、その生徒1人ひとりの学びのプロセスを評価できる形成的評価の確立である。

★そのために、ルーブリックを作成し、教師も生徒も共有してきたわけだが、それはまだSGHの中でのモデルづくりだった。今後は、いよいよすべての教育活動に適用していこうということになる。

★そこで、挑戦するにあたって、評価の検証ができるシステムも同時に組み立てようとしている。ポートフォリオは、知識集積の得点の推移ではなくて、生徒1人ひとりの能力・資質の成長をサポートする役割を果たす。

★したがって、その成長を評価するルーブリックの正当性・信頼性・妥当性を検証をしながら、進めていかなくてはならない。

★そこで、まず、学校として授業をはじめ教育活動において、そのルーブリックに予定した評価内容を適用できるかどうかとか、生徒はそのような学校の取り組み、教師のかかわりをどう評価しているかなど、エビデンスを集めている。そして、それを分析解釈し、評価基準の調整をしつつ、授業や教育活動を検証していく。その過程で、課題を発見したら、どのように解決していくか、全教員が議論する場をも設定しているのだ。

★その様子を拝見していたとき、評判通り、生徒が壁にぶつかったとき、どの生徒も壁を乗り越えられるように公平に情熱的にケアする教師が多いという結果がでていたのには驚かされた。評判とデータの一致というわけである。

★そして、授業で生徒といっしょうに思考していくレベルが、知識の確認・理解で終わることなく、論理的思考や創造的思考の高次思考まで活用できる授業展開を行っていることもデータ上明らかになった。

★教師の教育へのかかわりと生徒のそのかかわりへの反応の両方を掛け合わせると、実におもしろいことになる。いくつかのデータをみながら、長塚校長と片倉副校長と話し合ったが、そのとき私の脳裏には、次のようなイメージグラフが浮かんできた。

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★順天学園の教師は、生徒のモチベーションがあがるように、生徒がおもしろいと感じる授業を展開する。ただおもしろいだけではなく、興味をもって、自分が探究する方法やテーマを見つけていくと、それが探究へのモチベーションに転換していく大きな契機になるような展開なのである。

★しかし、それはそう簡単ではない。少し背伸びするような思考レベルの授業展開(図の②)をすると、生徒はやはり苦しくなる。もちろん、教師はその生徒たちの反応を見守りながら、生徒が踏ん張って自力で立ち上ってくるようにサポートするわけだ。

★そして、高2になったら、また、少しハードルをあげる(③)。そのとき今度は、じっくり考えることが楽しいと感じるようになっている。それが楽しいけれどハードでもあり、それがまたよい感じだということになる。

★そして、最終的には、このハードで楽しいというモチベーションが跳躍台になる。教師の問いかける思考の次元を乗り越えて、生徒1人ひとりの能力・資質がどんどん豊かになっていく。教師がとうとう自分を超えていったなあと感慨にふける(④)時を迎えるわけである。


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★他の学校の中には、入学するや、教師のやりたいようにやるから、ついていきたい生徒は面倒を見るが、そうでない生徒は、結果的に切り捨てられてしまうというようなところもある。順天は、そんな学校とは全く異次元の学校なのである。

★2020年、順天学園は、このような挑戦が一通り実を結ぶ予想が成り立っている。今以上に大学合格実績はでるだろう。海外大学も進学者がでるだろう。何より、大学に進むとき、知識・理解ベースの基礎学力を持っているだけではなく、探究型教育活動で基礎研究視点や社会構造を見破る俯瞰視点を身につけた状態で、大学に進むことになるのである。


※ 創造的才能開花型の教育活動、切り捨て型教育活動以外に、2つのパターンも思い付いた。参考までに。

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★現実主義型の教育活動は、たとえば、中学までは好奇心旺盛になる教育環境であるが、高校に進学すると、急に大学進学のための教育になり、大学進学の向こうにある大きな問題をワクワクしながら考える時間はなくなり、現実一路となってしまうケース。


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★鬱屈型は、教師が自分のハードルを生徒が飛べるようにすることをしないため、生徒は、がんばってもがんばっても、自分に物足りなさを常に感じ、鬱屈が溜まるような教育環境になっているケース。

★どなたか大規模リサーチをすると面白いかもしれないが、順天のような創造的才能開花型の学校は、New Power Schoolであるから、まだ30%もないのではないだろうか。 

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