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2018年12月 2日 (日)

未来を拓く学校を探す (22) 桐蔭学園中等教育学校 新しい進学校

★本日、桐蔭学園で、首都圏模試センターの「統一合判」が行われ、同時開催の保護者会でスピーチをした。会場は、同学園シンフォニーホール、本格的な音楽ホールあるいは劇場なみの規模と音響設備に驚いた。

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★世界的オーケストラの演奏や歌舞伎が演じられるだけではなく、このホールを生徒が自ら使って様々なロールプレイやパフォーマンスをするわけである。

★米国の大学などでは、出身高校にどのようなホールがあるのかも重要なポイントになる。だから音楽ホールや演劇ホールなど別棟があるエスタブリッシュスクールは多い。要するにリベラルアーツ教育を受けてきた証になるのである。

★これからの大学入試改革は、もしかしたらそういう教養的な部分もちゃんとチェックする可能性がある。すでに経団連は、文系でも数学を、理系もリベラルアーツを学ぶことを目標に掲げ始めた。どのような教育環境で学んできたかは、中高時代のポートフォリオをサポートする重要な教育要素になろう。

★私のスピーチの後に、桐蔭の先生方が話された。そのすばらしいプレゼンテーションに、なるほど生徒の皆さんのプレゼンが堂々たるものなのは、こういうことなのかと合点がいった。

★同学園の校長岡田直哉先生(上記写真)から少しお話をお聞きすることができた。簡にして要を得たトークで、同学園の教育の真髄をバシッと語られらた。ある意味新生/真正桐蔭をここ数年で作り上げているエネルギーはここにあると納得。

★アクティブラーニングは、同校の中核教育ではあるが、職業教育や進路先教育ではない、生徒自身が未来を構想するキャリアデザインとミラトビと呼んでいる「未来への扉」という探究が3本柱であると。

★今までの日本の進学指導は、大学を受験するために、この教科を選ぼうという受験勉強だったが、桐蔭学園は、受験勉強以上に、自由な発想で、自分の好きなことや関心のあることを探究して、それを未来につなげる活動が、大学側の目に留まり、ぜひうちで研究して欲しいというオファーがくるような今までにない大学進学準備教育になるのではないかということだろう。

★なるほど生徒たちはプレゼンテーションや他流試合で発信する活動が活発になってきているわけだ。自己プロデュースをしなければ、大学側は気づいてくれない。というより、社会に出たら、自分はシャイだからとは言ってはいられない。岡田校長が、自己肯定感が大事だというのはそういうところにも将来関係するだろう。
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★なるほどあの高名な元京大学教授溝上慎一先生が、同校の理事長代理になり、桐蔭学園トランジションセンター 所長・教授に移籍したのには、溝上先生のアクティブラーニングとそのような学びの方法で探究活動した生徒が大学、社会へとトランジションした時活躍するはずだという仮説を検証する研究環境が、桐蔭学園にダイレクトにあるからだということだろう。

★教育学部のホープ教授と桐蔭学園の教師の情熱と実行力がシナジー効果を生みだすことは間違いない。桐蔭学園の進化のブレイクスルーが今後楽しみである。

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