【2019年度首都圏中学入試(02)】 和洋九段女子 女子教育のアップデート
★昨年は、会議室の50%が埋まったぐらいだったが、今年は、会議室がほぼ埋まった。来年は、会議室では収まらないだろう。
★和洋九段女子は、ここにきて人気が徐々にでてきた。その理由を知りたくて、2つ目の説明会に参加したが、なるほどと納得することが多かった。
★それは、「ハイブリッド」という ダイナミックだがうまく平衡感覚がとれている絶妙な進化をしているということだった。たしかに、今の小学校6年生が34歳になる2040年はAI社会になっている。
★同校が、120年以上前に、裁縫学校として出発して、女性の自立的技術や知性、情操を育ててきたように、今は、AI社会に向けて過渡期である。そのようなときは、伝統と革新のハイブリッドが求められる。
★今度は、女性は裁縫技術ではなく、AIやICTの技術を身につける必要があるし、数学的思考や科学的思考を身につける必要もある。しかしその一方で、AI社会においてしなやかな人間性は不変的な価値を持ち続ける。
★したがって、教育技術は20世紀型から21世紀型にシフトするのは当然なのであるが、時代を超えて普遍的な知識や情操力もまた備える必要がある。
★その意味では、部活が終わっても、午後8:00まで、自習室を開放し、自分ひとりで知識を整理し記憶して定着させる環境も完備している。
★そのような基礎学力と普遍的/不変的な人間性の土台の上に、新しいPBL型授業を徹底している。いわゆるアクティブラーニングであるが、現在中1から高1まで、1人1台タブレット環境であるから、グローバルブレインとつながりながら、ディスカッションして授業は進む。
★AI社会にあって、未知なる課題は山ほどでてくる。そのような課題に遭遇した時、世界中の多様なネットワークとサイバー上で対話しながら創造的問題解決をしていくことになる。PBL型授業のトレーニングはダイレクトに未来の仕事や研究の仕方につながるといわれている。
★また、今までの女子校の特色であった、小グループで固まるという行動が、開放されたのは、PBLの善き効果だと中込校長は語る。6年間同じクラスだったのに、一度も話したことがないということはよくあった。しかし、今はクラスの中に他人はいないのだと。さりげないが、知的技術ばかりではなく、これもまた新しい女子教育の在り方であろう。
★論より証拠、PBL型授業の動画が流されるや、生徒たちの活発な学び合いに、保護者は釘付けになっていた。
★そして、グローバルクラスは、英語の授業はすべて英語で行われるため、はじめは、どうなることかと心配だったが、PBL型授業が浸透したために、わかるまで足踏みするのではなく、まずやってみようというポジティブな学びの姿勢がうまれるようになったという。
★もちろん、英語経験者とそうでない生徒はクラスは分けているから、さらにスムーズに授業は進んでいく。1年経つと、学習指導要領でいう中学英語は終了しているという。生徒は、相当ハイレベルな学びも、自然にクリアしているのである。
★大学合格実績も年々難関大学の数は増えている。しかし、大学受験勉強以上に、九段下エリアが、大使館や大企業が多いため、SDGsなど2030年に向けて社会をどのようにしていくかを探究していくこともできる。しかも、その際に、机上の学習だけではなく、それらの団体と連携して学んでもいるのだ。
★ある意味、インターンシップのような多角的な学びを行っている。そのため、受験スタイルも、指定校推薦やAO入試などが80%を占め、2020年の大学入試改革にはやくも対応している。
★英語にしても、今後は大学入試の入場券のような機能を果たす。英検でいえば準1級は当たり前という時代がくるだろうと中込校長は語る。もちろん、全国の受験生は、まだまだその域に達していないから、和洋九段女子の生徒はかなり有利である。
★このように、和洋九段女子の教育はアップデートされていて、2科4科入試と新タイプ入試、伝統と革新、20世紀型教育と21世紀型教育、基礎学力と創造的思考力、大学受験とキャリアデザイン、古き良き時代の女子教育と世界標準の女子教育などがダイナミックにハイブリッドされている。この平衡感覚の一貫した姿勢に、受験生や保護者は、安心感と未来への希望の両方がかなえられると期待値が高鳴るのであろう。
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