未来予測&創造 ベラミーとモリスの両方を超えて
★来月中旬10日間連続でどこかでセミナーやフォーラム、カンファレンス、ミーティングで語ることになっているが、会員制のセミナーも幾つかある。いずれも「2040年を起点」に教育の未来を予測したり創造の仕方について語る。平成最後の月がゆえにこういう流れに自然となるのだろう。
★すでに、三田国際の大橋清貫学園長との対談本が出版されたが、それもそのテーマが通奏低音として響いてたというか奏でたわけだし。
(モリスは、kindle版)
★しかしながら、今年はフランケンシュタイン(イギリスの小説家、メアリー・シェリーが1818年3月11日に匿名で出版。原題は『フランケンシュタイン、あるいは現代のプロメテウス』)誕生200年であり、ある意味AI社会誕生による機械の自動化から自律化への予言をしているわけだからということもあり、「2040年」という起点をもっと描いてみたいと思っている。
★未来預言書として、いろいろあるが、ベラミーの2000年を起点にしたデストピア小説「かえりみれば」(一般にはユートピア小説とみなされているが)とベラミーに抗議する形で、22世紀を起点にモリスが描いた「ユートピアだより」は、歴史的な意義とその歴史的背景がどんな条件で予言しているか押さえておく必要がある。
★とはいえ、この2冊の分析、リサーチにかける時間は私にはない。そんなときググってみたら、群馬大学の荒木詳二教授の論文「「19世紀末社会主義ユートピアと現代―― 国家社会主義 vs 共同体社会主義 ――」(群馬大学社会情報学部研究論集 第20巻 79~98頁 2013年2月28日)」が見つかった。ユートピア史と文学の社会創造への影響力が了解できるすばらしい論考である。
★見方はいろいろ議論があるが、どんなに悔やんでも悔やみきれない2015年12月25日電通の過労死事件をきっかけに、世の中は時短のみならず、多角的視点から働き方について、大きく意識が集中していることも事実である。
★2017年2月25日、東大は、まるでOGの追悼を意味するかのような問題を出題した。それは、次の「外国学校卒業学生特別選考小論文問題」(文 科 二 類)である。
★未来預言書として、いろいろあるが、ベラミーの2000年を起点にしたデストピア小説「かえりみれば」(一般にはユートピア小説とみなされているが)とベラミーに抗議する形で、22世紀を起点にモリスが描いた「ユートピアだより」は、歴史的な意義とその歴史的背景がどんな条件で予言しているか押さえておく必要がある。
★とはいえ、この2冊の分析、リサーチにかける時間は私にはない。そんなときググってみたら、群馬大学の荒木詳二教授の論文「「19世紀末社会主義ユートピアと現代―― 国家社会主義 vs 共同体社会主義 ――」(群馬大学社会情報学部研究論集 第20巻 79~98頁 2013年2月28日)」が見つかった。ユートピア史と文学の社会創造への影響力が了解できるすばらしい論考である。
★見方はいろいろ議論があるが、どんなに悔やんでも悔やみきれない2015年12月25日電通の過労死事件をきっかけに、世の中は時短のみならず、多角的視点から働き方について、大きく意識が集中していることも事実である。
★2017年2月25日、東大は、まるでOGの追悼を意味するかのような問題を出題した。それは、次の「外国学校卒業学生特別選考小論文問題」(文 科 二 類)である。
アメリカの作家エドワード・べラミーが 1888年に公刊したユートピア小説『顧みれば』 に見るように、多くの人々が生産力の発展にともない殆ど働かなくともよい世界を夢想 してきた。今日、確かに週休2日制が普及し、労働基準法で 1 日の労働は 8 時間までと 定められているように、べラミ―の時代より人々の労働時間は、概して短くなっている ように思える。しかし、日本では過労死やブラック企業の問題が注目されるように、ま だまだ長時間過酷な労働を強いられる状況はなくなっていない。こうした状況について、 以下の 2問に答えなさい。
問1. あなたの生まれた国あるいは滞在した国の状況と日本の状況との相違点を指摘 しなさい。また、それが生じたであろう要因について考えを述べなさい。
問2. 日本に限らず、19世紀より今日に至るまで労働時間を短くすることを可能とし た要因は何であり、それを阻んで長時間の労働につながった要因は何であろう か。考えを述べなさい。
★かくして、未来預言、あるいは、未来創造は、いまここでの世界の痛みをどのように受け入れ、どのように乗り越えらるのか、乗り越えられないのかを解決する物語的思考である。乗り越えられればユートピアであり、そうでなければデストピアである。しかも、それは表裏一体でもある。
★今のトランプ政権の在り方に、アメリカンドリームを夢見るグループは、今まさにアメリカはユートピアだし、リベラル左派などは、デストピアだと認識しているかもしれない。
★ポンポン飛んでしまうが、2040年は、ベラミーやモリスが望んだ社会主義や共産主義ではなく、まして、強欲資本主義でもなく、新しい資本主義をAIによってどう作っていくかにシフトせざるを得ない。
問1. あなたの生まれた国あるいは滞在した国の状況と日本の状況との相違点を指摘 しなさい。また、それが生じたであろう要因について考えを述べなさい。
問2. 日本に限らず、19世紀より今日に至るまで労働時間を短くすることを可能とし た要因は何であり、それを阻んで長時間の労働につながった要因は何であろう か。考えを述べなさい。
★かくして、未来預言、あるいは、未来創造は、いまここでの世界の痛みをどのように受け入れ、どのように乗り越えらるのか、乗り越えられないのかを解決する物語的思考である。乗り越えられればユートピアであり、そうでなければデストピアである。しかも、それは表裏一体でもある。
★今のトランプ政権の在り方に、アメリカンドリームを夢見るグループは、今まさにアメリカはユートピアだし、リベラル左派などは、デストピアだと認識しているかもしれない。
★ポンポン飛んでしまうが、2040年は、ベラミーやモリスが望んだ社会主義や共産主義ではなく、まして、強欲資本主義でもなく、新しい資本主義をAIによってどう作っていくかにシフトせざるを得ない。
★ギリシャで生まれたアカデミアユートピア(奴隷にとってはデストピア)、イギリスで生まれた産業革命ユートピア(労働者にとってはデストピア)、ソ連で生まれた社会主義ユートピア(自由を愛する市民にはデストピア)は、プロメテウスがもたらした化石燃料に生活が支配されてきた。
★このプロメテウスの火を、化石燃料から脱却して人間が手に入れたとき、新しい資本主義ベースで、モリスのユートピアが現実のものになる可能性がでてきた。それがAIの可能性である。
★モリスのユートピアは、社会主義的デストピアではなく、社会主義的ユートピアではあるが、化石燃料から脱する道は開いていない。ただ、農村社会という自然の循環を大事にしていたから化石燃料の過剰消費は抑止できるかもしれない。
★しかし、それは根本的解決にはならない。SDGsを完璧に解決する道をたどらねば、解決とは言えない。さて、それでは、そんな社会は、いったいどんな社会なのか。そしてその社会を支える教育はどんな未来を描くのか。
★このプロメテウスの火を、化石燃料から脱却して人間が手に入れたとき、新しい資本主義ベースで、モリスのユートピアが現実のものになる可能性がでてきた。それがAIの可能性である。
★モリスのユートピアは、社会主義的デストピアではなく、社会主義的ユートピアではあるが、化石燃料から脱する道は開いていない。ただ、農村社会という自然の循環を大事にしていたから化石燃料の過剰消費は抑止できるかもしれない。
★しかし、それは根本的解決にはならない。SDGsを完璧に解決する道をたどらねば、解決とは言えない。さて、それでは、そんな社会は、いったいどんな社会なのか。そしてその社会を支える教育はどんな未来を描くのか。
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